
観光客が増えてきた

ようこそ地元へ
運動不足解消とか、体重減少とかを考えて(主に体重減少のほうだが)ウォーキングに精を出している。
ウォーキングのモチベーションを上げるためのタダタカ万歩計を持って、さあ、今日もウォーキングに出かけよう。
(タダタカ万歩計のことが気になる方は、「伊能忠敬万歩計を買ってみた」をお読みいただけたらと思う。宣伝でした)
さて突然ですが、わたしの地元は観光地だ。気候が良くなってきた今日この頃、地元にも観光客が増えてきた。
地元民のひとりとして、大変ありがたいことだと思う。地元に金を落として、げほげほっ、地元でいろんなものを見て、体験して、美味しいものを食べていただきたい。
自慢ではないが、地元はいろいろと楽しめるところだと思う。
ドラマの舞台になったこともある。浅見光彦が事件を解決したこともある。
縁あって地元にいらっしゃった方は、たくさん楽しんでいただきたいものだと心から願っている。
どきどきする理由
わたしが観光客を歓迎している気持ちは伝わっただろうか。
ではここでタイトル回収です。
なぜ週末のウォーキングがどきどきなものになってしまうのか。
街中をウォーキングしていると、観光客と出会うことがままある。
わたしには見慣れた街角の風景や店構えなどにスマホを構えていたりするのでそれとわかる。
中には、市が発行しているとおぼしき、観光マップ的なものを手にしている人たちもいらっしゃる。
楽しんでくれてるかなあ、などと思いながらかたわらを通り過ぎるのだが、ちょっとだけどきどきする。
それはなぜか。
「すみません」と声をかけられて、どきどき度が一気に上がる。
はい、と答えて振り返ると、観光マップ的なものを手にした人たちがわたしを見ている。
きた、とわたしは思う。
まったく自慢ではないが、なぜかわたしはよく道を聞かれる。
おそらく人畜無害な顔をしている(友人談)からだろう。
心からお役に立ちたいのだ

地理音痴で方向音痴ですが役に立ちますか
繰り返しになるが、わたしは観光客を大変に歓迎している。地元を楽しんでもらいたいし、わたしでお役に立つなら喜んで力になりたい。
だが、だがしかしだ、わたしは地元から出て住んだことはないというくらい純度の高い地元民だが、精度の高い地理音痴、方向音痴でもある。
なんせ何十年も住んでいる地元で迷子になるくらいだ。
ああ、少し前にも似たことがあった。あれはたしかスーパーからの帰り道だった。わたしは愛チャリのカゴにいっぱいの買い物をして信号待ちをしていた。
どこからどう見ても地元民だ。だからだろう、声をかけられたのだ。
そのときは、地元で有名な料理屋を訪ねられたのだ。
有名な店なので名前は知っていた。だが場所は知らなかった。
すみません、わかりません、と答えるのがとても申し訳なかった。有名な店じゃなかったの、とでもいいたそうな観光客の表情を見て、いろいろとごめんなさいな気分だった。
わたしにわかる質問でありますように、と祈るような気分でわたしは笑顔を作る。
「地元のかたですか?」とマップを持った女性たちに聞かれる。
パーカーとジャージを着てウォーキングをしていたら地元民に見えますよね。
はい、高純度の地元民です。高精度の地理音痴でもありますが。
はい、と返事をすると、マップを差し出された。やはり観光マップ的なものだ。
「この道は、この通りで合ってますか?」
マップに描かれた1本の通りを指さしながら女性は言う。
よ、よかった、これくらいならわたしにもわかるぞ。えーと、駅はどこかな。あ、ここか。ちょっとマップをひっくり返してもいいですかね。
「はい、この通りで合ってますよ」
頼れる地元民の顔でわたしが言うと、女性たちは安心したように礼をいって歩いて行った。
よかった、本当にわたしにわかることでよかった。
わたしはウォーキングを再開しながら思う。
もうちょっと地元のことを知らないといけないよな、と。
何十年も地元に住んでいてそれもどうかと思うが、まだ伸びしろはあるでしょうか。