夜明け前のウォーキング事情(ただし昨年))

ウォーキングをする女性

2025年現在

2025年現在、わたしはとてもウォーキングに精を出している。
伊能忠敬万歩計と共に日本地図を描くべく、というか、最終目標は体重の減少なのだが、ついでに日本一周を目指して歩いているのだ。(ただし30倍速)

さて、以前書いた文章を読み返していたら、去年書いたとおぼしきものが出てきた。
これもウォーキングネタなのだが、あまり熱心に歩いてはいなかった頃のものだ。

ネタがもったいな、いやいや、せっかく書いたものだし、ご披露したく、ここに載せてみようと思う。ちょっとだけ昔のウォーキング事情です。では、どうぞ。

昨年はこんな感じ

根っこはひっきーなんです

こよなく睡眠を愛するほうだ。趣味はなにかと聞かれれば、読書と睡眠と答えるであろうくらいだ。
なのに、時折眠れないことがある。いやまあ、理由はわかっている。昼寝をしすぎたり夕寝をしすぎたりしたときだ。

早い時間からソファで寝てしまい、はっと気がついたときは午前3時。ありゃ、やっちまったとベッドに移って寝直しをかけるも、一度目が覚めてしまうとなかなか眠れない。
眠れないままに午前5時。

それでも平日だとそのまま無理にでも眠れるまでじっとしているのだが、これが休日だったりすると、しかたない、起きるか、となる。
起きてなにをするかといえば、そう、ウォーキングだ。
普段から運動不足が気になっているものの、引きこもり体質が災いして、ついつい部屋でごろごろしてしまう。

これではいかんと自分で自分の尻を叩いて行っているのがウォーキングなのだ。
とはいえなにぶん根っこがひっきーなもので(大事なことなので2度いいました)ひんぱんに歩いているわけでもない。
一度やってみた夜明けどきのウォーキングがけっこう気持ちよかったので、ほら、今歩けば気持ちいいよ、と自己暗示をかけているのだ。

というわけで、今日も夜明けのウォーキングに出ることにした。
時間は午前5時半。
外に出てみたら、夜明けにはもう少しあるらしく、まだ暗かった。

とはいえ11月なかばの福岡。じき夜も明けるだろう。
空気はまだ夜の気配を濃く残している。深呼吸をすると、ひんやりとした空気が肺に入ってくる。
人も車も通らない、ぽつぽつと建てられた街灯が光りを落とす田舎道を歩き出す。

空を見上げたら、白い半月が雲の間から覗いている。雲が厚いのか、覗いたかと思ったらすぐに姿が隠れてしまう。
いやほんとに誰も、なにも通らないんですけど。しんとしすぎてちょっと怖い。
いやいやこんなときこそ元気に歩きましょう、と意識して歩幅も大きめに歩く。

まだ暗い道で人と出会う(かなり恐い)

暗いよ恐いよ

10分も歩いただろうか。前から誰かが歩いてくるのに気づいた。
真っ暗な道で出会った初めての通行人は、年配の男性に見えた。黒っぽい上下を着ているので、夜明け前の暗闇の中に姿が沈みそうになっている。

日曜のこんな時間に(こんな時間に歩いているわたしがいうのもなんだが)どこかに行こうというのかそれともどこかから帰ってきているのか。

え、ちょっと怖いんですけど。どうすればいいんですか、わたし。
年配の男性とわたしの距離は少しずつ縮まってくる。このまますれ違うべきか、それともおはようございますと挨拶をしてみるべきだろうか。
相手があきらかにウォーキング仲間なら挨拶するのも手だが、残念ながらそういう雰囲気でもない。

うーん、どうすりゃいいんだ。いっそのこと、欽ちゃん走りで近づきながら、あひゃらひゃらげひゃとでも言ってみようか。
驚かされる前に驚かせ。先手必勝というしな。

怖さのあまりそんな想像をしてみる。いや違うし。彼は決してわたしを驚かそうとしているわけではない。落ち着け、頭のおかしな中年女がいると通報されるだけだ。
息を詰めている間に、あっさり年配の男性とはすれ違った。ふう、疲れた。

気を取り直してウォーキングを続ける。
20分ほど歩いただろうか。夜明けはまだのようで、暗いままだ。と思ったら、前方がほの明るい。
道路のそばが空き地になっているところがあるのだが、そこで火が燃えている。

え、と目をこらす。
男性がひとり、焚き火をしていた。細い木を組み合わせて山にしたものを燃やしているようだ。
こんな時間に、焚き火?

男性は一心に火を見つめながら、なにか布のようなものを引き裂いている。引き裂いたものを火の中に投げつけている。二度、三度とそれを繰り返す。
これまた挨拶などできない雰囲気だ。

わたしは男性からなるべく距離を取るべく、道路の逆端に寄り、気持ち足を速めた。
うーむ、夜明けのウォーキングってこんなにスリルがあるもんだっけ?

大きい道路に出ると、ぽつぽつと車が走り出した。どこかに行くのか、どこかから帰っているのか、どちらにしてもこんな暗い時分からご苦労なことだ。

じわじわと明るくなってくる

道路がまた狭くなる。またもや人も車も通らなくなった。
と思ったら、なにやら後ろからひたひたと足音が聞こえる。

振り向いてみたら、道路の逆端をひとりの女性が歩いていた。
おそらくウォーキング仲間だろう。動きやすそうな格好をしている。
その女性とわたしの歩くテンポが似ているのか、道路の端と端で同じように歩いている。

いつまでも視界の中に女性がいるので、勝手に親近感を抱いてしまう。
今こそ笑顔で近づいて、おはようございます、というときだろうか。

いきなりだとびっくりさせるだろうか。親しみをこめて欽ちゃん走りで近づいてみたらどうだろう。
やめておこう、頭のおかしな以下略だ。

そんなことを考えているうちに、女性は角を曲がっていってしまった。
さようなら、ちょっとだけ一緒に歩いた人。お互い頑張ってウォーキングしようね。

辺りが少しずつ明るくなってきた。ようやく夜明けらしい。
ウォーキングコースの終わりも見えてきた。

一日の最初を運動で始めるって気持ちいいね!
多分帰ったら寝るけどね。

家に着いたら寝るかな

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