彼方から(とそれ以外)

ファンタジーアイテム

35年後のアニメ化

「本」のコーナーは、ビジネス書か実用書のみの案内にしようと最初は思っていた。
がしかし、そうすると案内する本がかなり限られることに遅ればせながら気がついた。

会社を退職してから、ビジネス書や実用書を読む機会が激減したという事情もある。
というわけで、方向性を変更して案内する本を小説やマンガまで広げることにした。
今回はひかわきょうこさんの作品の案内。

ひかわきょうこさんの作品「彼方から」がアニメになるそうだ。
作品が発表されてから35年経ってからのアニメ化と聞いて驚いた。

なぜこんなに驚いたのか。35年経ってからアニメ化というのももちろんだが、わたしはこの作品は雑誌掲載時に読んでいたのだ。
とても楽しく読んでいたものだが、そしてその後はコミックスも買ったのだが、あれから35年経ったんですか、そうですか、そんなに経ちましたか。時の流れの速さに沖端びっくりだよ。
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ひかわきょうこさんといえば「千津美と藤臣君」

ひかわきょうこさんは昔から好きな作家だ。
「彼方から」はファンタジーだけど、学園物も多い作家で、わたしは「千津美と藤臣くん」シリーズが大好きだった。今でも好きだ。

学園物がメインの作家だという印象があったのだが、よく考えたら西部劇も描いているし、時代劇も描いている。ジャンルの広い作家だ。そしてどちらの作品も大好きだ。本当にあたりばかりの作家だ。

学園物に話を戻そう。
2次元でのわたしの初恋はたぶん「千津美と藤臣くん」シリーズの藤臣くんだ。
ヒロインの千津美はドジで泣き虫で気が弱くてお人好しで、と本好きの少女(元少女含む)が共感を抱きまくるような性格だ。
千津美の家族はお姉ちゃんだけだが、このお姉ちゃんがきれいで大人っぽい女性で、千津美はお姉ちゃんが大好きだ。
対するヒーローの藤臣くんは、無口で無愛想でガタイがよくて、その上ケンカも強いと周囲から恐れられている少年だ。初出はどちらも高校生。

その二人がふとしたきっかけで知り合い、次第に惹かれ合っていくという話なのだが、親しくなるきっかけは(知り合うきっかけは別にある)ある日先生から2人でガリ刷りを頼まれるもドジな千津美が藤臣くんが着ていた道着を汚してしまい、怯える千津美におっかないと思われていた藤臣くんが意外な反応を……、とこれ以上書いたらさすがにネタバレだろうから控えるけれどもとにかく王道の恋愛マンガだ。ここまで書いて思ったけれど、ガリ刷りって今書いてわかる人がいるんだろうか。わたしですか? 実際に刷ったことはない、はず。多分。

記憶に頼って書いているけど、よく覚えているなあ、我ながら。だって当時わくわくしながら読んでいたし。
記憶に頼って書いているとかいいながら書いているうちに読みたくなって本棚を探したのだが、実家じゃなくてこっちの部屋に持ってきていてよかったと思ったのだが、読んでみたらいろいろ忘れていてちょっとショック。いま読み直しても新鮮に面白い。

藤臣くんがとにかく男前なのだ。たたずまいが静かだけれど迫力があってあまり表情が変わらないけれど時に(主に千津美に)見せる笑顔が優しくて、と、申し分のないヒーローだ。
不器用なだけに優しさが周囲に伝わりづらかったりもするけれど千津美はしっかりとそれを受け止める。なんて素敵なカップルだろう。

現実にはそうそういないキャラだろうが、もし現実にいたとしてもわたしには千津美みたいには藤臣くんを受け止めきれないだろうな、と若かりし頃に思ったりして、それなりにショックだった。

「彼方から」とタイトルをつけながら、違う話のことばかりを書いている。「千津美と藤臣くん」シリーズへの想いがほとばしってしまったよ。本当に素敵な作品です。文庫でも出ているし、ぜひ乙女たちに(そうじゃなくても)読んでほしい。推しまくりです。

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「彼方から」

さて「彼方から」だ。
ごく普通の女子高生の典子がある日突然異世界に転生(転移?)してしまうというファンタジーだ。

日本の女子高生、あるいは男子高生が異世界転生するという話はたくさん、それはもうたくさんあるけれど、この話が描かれたのが35年前だということを考えると、異世界転生ものとしてはきわめて初期の話になるのかもしれない。

ヒロインの典子はごく普通、としか表現できない女子高生だが(話が進むと普通ではないことがわかってくるが)言葉も風習ももちろん食べるものも異なる異世界に飛び込んで(呼び込まれて?)驚き困惑しながらも奮闘していく。

その明るくてひたむきな頑張りぶりに読者は旗振って応援してしまう。
数の数え方が十進法でよかったと喜ぶシーンがあったりして設定が細かい。

異世界には異能力者もいるし、おっかない生物もいる。
典子は権力者たち(組織? 国?)に狙われているのではらはらどきどきの展開だ。

幸いにしてヒーローのイザークとは早い段階で出会う。異世界に渡った早々におっかない生物に襲われるのだが、颯爽と現れたイザークに助けられる。

2人は一緒に異世界を旅することになり、その課程でイザークの事情や過去も次第に明らかになってくる。
込み入った国の事情があったり勢力図があったりイザークに敵対する能力者がいたりと物語が壮大なのでとても書ききれない。

というか、コミックスを持っているのだが実家にあるのでこれこそ記憶で書いている。なのでうっかり記憶違いで誤ったことを書いてしまいそうでこわい。
ストーリーを知りたいだけならWikipediaのほうが詳しいです。こんなことを書いていいのだろうか。まあいいか。

こちらのヒーロー、イザークもかっこいいです。
イケメンだしとにかく精悍で強い。長髪が似合っている。おしゃべりではないが、言葉を惜しむ人ではない。行動力も生活力もばつぐんだ。右も左もわからない異世界にいてこんなに頼りになる人もいないだろう。よかったね、典子。

ここまで書いて思ったけど、イザークは藤臣くんに通じるものがあるんじゃなかろうか。藤臣君はひかわきょうこさんのデビュー作に出てくるキャラだし、そう考えると、イザークの原型は藤臣くんかもしれない。勝手な予想だが。

イザークは事情がありまくりの人なので、人に対しての警戒心がとても強いのだが、典子と共に旅をする課程で、少しずつ典子に心を許していく。
不器用ながらも次第に典子に惹かれていく様子が、また元乙女にはたまりません。

魅力あるキャラクターもたくさん出てくる。一見悪役のように見えるキャラも、まあ本当に悪役だったりするが、その実複雑なものを抱えていたりする。
ショボさが笑える悪役キャラもいたりしてそれもまたいい。

メインキャラはもちろん、村人たちのような、少ししか出てこないキャラにも味がある。村のおじさんおばさんを主役にした話もできそうなくらいそれぞれのキャラが濃い。

面白い話なのは間違いない。この本も文庫も出ているし、ぜひ読んでほしい。
アニメを見る前に予習のつもりで読んでみるのはどうだろう。

Wikipediaを読んで知ったんだけど、CDドラマにもなっていたんだね。
その昔マンガや小説のCDドラマを聞くことにハマった時期があるんだけど、その頃によく聞いていた声優さんが多く出演しているようで驚いた。なんて豪華な声優陣だろう。聞いてみたい!

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他の作品もぜひ!

ひかわきょうこさんの作品を検索したら、手元にない作品が文庫になっているのに気がついた。
雑誌掲載時に読んでいて、ああこれも面白かったよねえ、と思っているうちに読み直したくてしかたなくなってしまい、ポチってしまった。男鹿先輩もかっこいいんだよね。

こうして本って増えていくんだね。
「彼方から」以外の話を長く書いた気がするが、まあいいとしよう。
ひかわきょうこさんの作品はどれもあたりです。どれでもお勧めできるので、読んでほしい。
〈PR〉男鹿先輩もかっこいいよ

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