
他人よりも血のつながった身内のほうが絆が強く、頼りになるということ。また、血縁は断ち切れないこと。血筋は争えないという意でも使われる ── 新明解故事ことわざ辞典
姪の話

今回は姪の話
わたしは3人姉妹の末っ子だ。上の姉に3人の甥がいて、下の姉にひとりの姪とひとりの甥がいる。
さてこの姪だが、子どもの頃から、母親の実家である我が家へよく遊びに来ていた。
下の姉がいなくても姪はいる。気がつけばいる。またいる。今日もいる。
親の実家へちょくちょく来るのも小さいうちだけだろうと思っていたら、中学生になっても来る、高校生になっても来る、なんなら大学生になっても来た。
制服のまま来ているところを見ると、どうやら学校から我が家へ直行した模様。
来てなにをしているかといえば、ひたすら本を読んでいる。お目当てはわたしの部屋の本棚だった。
彼女は本の世界に没頭する
この姪はとにかく本をよく読む。読み出すと本の世界に没頭するので、横でなにを話していても聞こえない。
母が、ご飯だよ、といっても反応しない。
わたしは本を読んでいるときは話しかけられても生返事をしていて、そのことで母に文句を言われたりもしたが、姪に至っては生返事すらしない。
よく泊まってもいたが、朝起きたら顔も洗わずにすぐに本を読もうとする。
長じて、姪は司書になった。趣味と実益を兼ねた天職といえるのではなかろうか。
司書になった姪は、職場でもある図書館からよく本を借りているらしい。ひたすら借りまくり、なんなら母親である下の姉のカードまで使って借りているよう。
(知らない間に自分の図書館カードができていたと下の姉が言っていたような。うーむ、あまり追求しないでおこう)
そんなに借りて期限内に読み切れるはずもなく、姪の職場である図書館から延滞の連絡が下の姉にくるという。
なにやら身に覚えのある話になってきた

あれ、似てる……?
う、なにやら身に覚えのある話になってきた。いやいや、わたしは人のカードを使ったことはない。
姪の部屋には本が溢れ、自宅の敷地内には小屋もあるのだが、そこにも姪の本が大量にあるという。(読み終えた本を姪に渡したりもしたので、その本の一部はわたしのものだったと思われる)
なにやら身に覚えのある話になって……。
そんな姪は、成人式をとっくのとうに終えた年齢だが、色気のある話にはとんと無縁だという。
なにやら身に覚えのある……。
下の姉が、わたしの顔を見ながらしみじみと言う。
「だんだんあんたに似てくるわ」
ち、血かな?