3姉妹の振袖

着物姿の男女

振袖の話

綺麗な振袖なんだよ

わたしは3姉妹で、上に姉が2人いる末っ子だ。
女ばかり3人の一番下なんて、所詮はパシリだ。子どもの頃はよくパシらされた。アイス買ってこいとかお菓子買ってこいとか。ああそうそう、小学校への登校途中で、忘れ物したから代わりに取りに帰れと言われて家に帰らされたこともあったなあ。(遠い目)

わたしが備えている根性の土台はあの頃に築かれたといえよう。
これ以上書くと姉たちからなにか言われそうなので、このあたりは機会があればまた別の話にするとして。

というところで今回は振袖の話。
上の姉が成人式を迎える頃に振袖を誂えた。

母の妹が和服を仕立てる仕事をしていたので、振袖は叔母に仕立ててもらっていた。
淡いピンク色(だと記憶していたが、写真で見たらピンクベージュかな? 袂や裾になるにつれて色が濃くなっている)を基調にした、花々や御所車や扇の柄がとても美しい振袖だ。

かなり高額だったと思うが、上の姉が頑張って購入した。
その振袖は3姉妹全員が身に着けた。

3姉妹が身に着けた

上の姉とわたしは種族が同じだ。項目分けするなら『穏や科 インドア属 本好き種』というところだろうか。
上の姉が好んだ淡い色の着物は、だからわたしにも似合った。(はずだ)

下の姉はどうだったろう。
なんせ『沖端家のひとり積み木崩し』と呼ばれていたくらいだ。わたしが呼んでいただけだが(愛があればこそですよ、オネーサマ!)

下の姉の顔立ちと性か、げほげほっ、雰囲気的にはもっとはっきりした色合いのほうが似合ったような気がする。
いや、けして淡い色の振袖が似合っていなかったというわけではない。いくらなんでもそんな恐れ知らずなことを口にはしなかったよ。

とかいいわけを書き連ねていたら、下の姉本人も「あの振袖は自分には似合わなかった」と言っていた。
なんだ、自覚があったんだ、げほごほっ。

活躍する振袖、そして今

振袖は活躍したよ

上の姉は成人式や結納、身内や友人の結婚式で、4回は振袖を着ている。
下の姉も成人式と友人の結婚式で、2回ほど着たよう。

わたしはといえば、成人式と姉たちの結婚式、そして入社した会社がなぜか女性の新入社員は入社翌年の新年会で着物を着るという慣例があるところだったので、それも入れると4回は着ているはずだ。
(どうでもいいけど、そんな慣例があるのなら、せめて着付け代とヘアセット代くらい出してほしかったよね)

トータルで10回はわたしたち3姉妹が袖を通したことになるが、1枚の振袖としてはかなりの活躍ではないだろうか。
そんな風に活躍した振袖だが、3姉妹の誰も身につけなくなってすでに長い年月が経つ。
振袖は、いまは上の姉のタンスの中で静かに時を過ごしている。

この先誰かが身につけるのか、それとも振袖ではない別のなにかに生まれ変わるのか、あるいはこのままずっと静かに時を過ごし続けるのか。
それはわたしにはわからない。

しかし、わたしたち3姉妹と共に過ごしたあの美しい振袖はこう考えているのではないかと思う、というか、思いたい。
我が振袖生涯に悔いなし、と。

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