
趣味は読書です

活字は友だち
本を読むのが好きだ。読んだ本の話を人とするのも好きだ。
バッグの中には、通勤中でもオフの日でも常に2冊は本が入っているし(いつ1冊目を読み終えても困らないようにだ)、電車での通勤時間は読書タイムと決まっている。
スマホにKindleアプリを入れてからは、電子書籍のデータを大量に落とした。
我ながら準備は万端だ。いつ時間が空いても大丈夫。
同僚とのおしゃべりでときどき本の話になることがある。
わたしは読書の楽しさと大事さを若者に話すのは年長者の義務と捉えているフシがあるので、機会があればよくこういうことをする。(相手は迷惑がっているかもしれないが)
友人に面白い本を勧めることもよくあるし、お勧めの本を、頼まれてもいないのに買って渡すこともある。(相手が喜んでいるかは不明だが)
草の根活動で本を貸す

それ聞いちゃう?
ある日、普段あまり本を読まないという同僚が、沖端のお勧めの本を読んでみたいと言ってきた。
本好きのひとりとしては嬉しい言葉だ。
こうした草の根活動が、若者の活字離れに少しでもストップをかけると信じたい。
あまり難しくないミステリが読みたいというので、あれこれ考えた結果、大好きな作家さんのライトなミステリを貸したと思う。
これ面白いよ、と本を渡したとき、衝撃の一言が同僚の口から出てきた。
「わあ、ありがとう。で、犯人は誰?」
はい? ← 杉下右京(by相棒)風。
えーと、今本を渡したばかりだよね?
まだ表紙をめくってもいないよね?
犯人を聞きましたか?
「犯人を知ってからじゃないと安心して読めないじゃない」
同僚はミステリを読むときは、最後の部分を読んで犯人を確認してから、あらためて頭から読むのだという。
そうやってミステリを読む人がいるとは知らなかった。
わたしは未読の、この先読むかもしれない本のネタや、見ていない映画のオチを話されることが嫌いだ。
友人と本の話をするときも、まだ読んでいないからネタばらしはしないようにと念を押すし、相手が未読の本の話をするときはネタばらしをしないように気をつける。
ネタばらしをしてでも話をしたいときは、相手にネタばらしであることをくどいくらいにあらかじめ言っておく。
ネタをばらすという、わたしにとってはミステリを読むうえでの最大のタブーを犯してまでも相手に話したくなる小説はそんなに多くはない。
驚愕だったミステリ
記憶にあるのはあるアリバイトリックを使ったミステリだろうか。
とある地方で殺人事件が起こり、ひとりの男性が容疑者として浮上する。
だがその男性には、殺人が起こった日の夜中に東京でアリバイがあった。
犯行時刻から考えると、容疑者の男性はその日のうちに東京に戻ることができない。最終の飛行機に間に合わないからで、他の交通手段に至っては言わずもがなだ。
犯行時刻はずれないし、東京でのアリバイも崩れない。
男性はどうやって殺人を犯したあとで東京に戻ることができたのかと、地方の刑事達が侃々諤々という体でやりあう。
どうやって東京に戻ったのか。
このトリックが驚愕のびっくりだったのだが、さすがにここでそれを書くのはNGだろう。
いやしかし驚いた。あのトリック(トリックといっていいのかどうか)には賛否両論あるらしいが、トリック崩しがメインの話ではないし、あれはあれで面白い話だったと思う。友人ネギにネタばらしというタブーを犯してぶちまけた。
ネギはそのあとその小説を読んだようだ。
おっと話が脱線した。
確かにそれは個人の自由かもしれない
繰り返しになるが、私の中ではネタばらしというのはミステリを読むうえでは最大のタブーなのだ。
本好きのひとりとしてそれはやりたくない。
「わたしがそうして欲しいんだからいいじゃない」
そ、そうですか。そうして欲しいんですか。
そうですよね。どういう本の読みかたをするかは個人の自由ですよね。
でも作家が聞いたら涙ぐむんじゃないでしょうか、その読みかた。
そのあと同僚に犯人を教えたかどうかを、どうしても思い出すことができない。
※ 文中に出てくる『驚愕のトリックだったミステリ』が気になるかたは、殊能将之作 探偵石動シリーズ第2弾の「黒い仏」をお読みください。先に密林などで作品のレビューを確認されることをお勧めします。(本格ミステリが好きだというかたは特に)
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