
地元で迷えます

ここはどこ?
自慢じゃないが方向音痴だ。地理音痴でもある。
生まれ育った地元で迷う。
商業ビル内で洗面所へ行けば、出た後右へ行けばいいか左へ行けばいいかわからない。(たどり着くのは本能でいけるのに)
天神で駅近な有名なビルの場所がすぐにはわからない。
天神駅からキャナルシティまで歩いて行くことができない。博多座まで歩いて行くこともできない。どちらも徒歩約15分だ。
地上がダメなら地下なら動けるのかというと、まったくそんなことはない。
地下街に1歩入ったとたんにただでさえ乏しい方向感覚があっという間に狂って、自分がどこを歩いているのかわからなくなる。
気がつけば地下街のところどころにある案内板を凝視している。案内板をじっと見るのが恥ずかしいなどという感覚はとうにない。
福岡市はビッグなバンが起こっているので、地図や路線図がどんどん変わってくる。その変化に対応することがまったくできない。
そういえば昔、ひとりで東京へ行ったことがあった。よく行けたものだと我ながら感心する冒険だったが、東京の路線図を目の前にしたときに、気が遠くなりかけたことを思い出す。
人は皆方向感覚を備えているものなのか
友人のネギが運転する車の助手席に乗っていた時の話だ。
あまり詳しくない場所に行くということで、ネギはナビをつけていた。
ナビを見ると、赤い矢印が左向きになっている。なぜ左向きの矢印を見ながら車を前に走らせることができるのかがわからない。
「なんで矢印が左向いてるの」とわたしは聞いた。
ネギの答えは、
「北を上にしているから」だった。
こいつ、実は超能力でも持っているのかとちょっと本気で思った。
地図を見るときにくるくる回転させるわたしにはできない芸当だ。
というわけで、誰かと一緒に道を歩いているときは、自然ナビ役を相手にまかせきりにすることになる。
ときどき友人のゾエやネギが怒る。
「沖端は道を覚える気がない」
道を覚える気がないわけではない

地図が読めないんだよ
違う、道を覚える気がないわけではない。覚えられないんだ。
東西南北がわからないんだ。そこを東に行く、とか言うな。なんの呪文かと思うじゃないか。
どうしても道順が頭に入ってこないんだ。
ようやく道を覚えてもすぐ忘れるんだ。
頭の中に地図がないんだよ。方位磁石もない。
ゾエもネギもすっかりあきれ顔だ。あきらめ顔ともいう。
「いっぺん沖端になってみろ。どれだけ生きていくのが大変かわかるから」
「絶対嫌だ」
声を揃えて2人は言った。
ちくしょー、沖端に生まれ変わるがいい。