
イケメンと映画を見に行った
『イケメンにメイクをした話』で、専門学校時代の、ノリのいいイケメンのクラスメイトにメイクをした話を書いた。
デザイン系の学校だったのが関係あるのか、学校時代の知り合いはなにかと個性的な人が多かった。
服を作っている人も絵を描いている人もいたが、え、そんな材料を使うの? と驚くようなことをしている人もいた。
講師も個性的な人が多かった。
まあこのあたりは機会があれば触れるとして、
今回はそのイケメンのクラスメイトと大人の映画を見に行った話。
どこからそういう話の流れになったのかさっぱり覚えていないが、悪のりしたクラスメイトと大人の映画を見に行こうという話になった。
今ならレンタルでもネットでもいくらでもそんな動画を見る機会はあるだろうが、当時は映画館に行くくらいしかなかった。
話は少々ずれるが、福岡のとある場所には、わたしの知る限りゲイ映画館がひとつだけあって(いまでもあるんだろうか?)当時、なにかの折に通りかかったときにかかっていた映画は『シコ食い込んじゃった』というタイトルだった。
ちょっと思い出したので書いてみた。
見に行ったのは大人の映画

若人の悪ノリです
話を元に戻して、映画館に大人の映画を見に行くことになった。
なにしろ学生時代のことで、たぶん平日の午後に見に行ったと思う。
映画館内はそこそこの広さがあった。座席も百くらいはあったと思う。
当時は座席は自由だったので、わたしたちはかなり後ろの席に座った。観客数はあまり多くなかった。座席が2、3割ほど埋まっていただろうか。
同じ列には、わたしからいくつか離れた席にひとりの男性が座っていた。
それくらいは用心したほうがいいだろうと、わたしたちは暗くなってからそっと座席に着いた。
ので、女性が座っているとは気づかれないかもと思っていたが、そうはいかなかったらしい。
映画が始まっていくらもたたないうちに、いくつか離れた席の男性がわたしに話しかけてきた。
「すいません、今何時ですか?」
え、こういう映画を見に来ているのに、時間が気になります?
というか、上映時間が決まっている映画が始まったばかりなんだから、時間の見当はつきますよね?
まあ1回見ればいいかな

感想に困るな
ちぇ、女だとバレたか、とわたしは思った。話しかけて本当に女性かどうか確かめたかったのかもしれない。確かめてどうしようと思ったのかは知らないけど。
が、こんなときのために用心棒代わりのイケメンクラスメイトを連れてきたのだよ。
わたしはイケメンクラスメイトに「時間わかる?」と話を振った。
イケメンクラスメイトも場を察したのか腕時計を確認して、声をかけた男性に
「○時○分ですよ」とにこやかに返事をしていた。
男性は「ああ、どうも」と礼を言い、それからは話しかけることはなかった。
よかった、持つべきものは話のわかるクラスメイトだね!
映画は1時間か1時間半くらいだったろうか。上映中に席を立っていなくなる観客がやたら多い。
まだ途中なのに、どこへ行くんでしょうかねえ。
肝心の映画のストーリーだが、……ストーリーだが、うう、これをストーリーと呼んでいいのだろうか。
小説好きのひとりとして、これを『ストーリー』と表現することに少々、というかけっこう抵抗がある。
こんな展開あるかい、と突っこめるあたりは面白いのかもしれない。
当時の結論としては「大人の映画って、女が見て楽しめるものじゃないな」だ。
とりあえず1回見て好奇心が満足したので、大人の映画を見に行ったのはそれが最初で最後だ。
ノリのいいイケメンクラスメイトには感謝だ。