
オイツーの話
エッセイを書くようになって、自分には意外と痛い話が多いなと思っていたけれど。
負けずに痛い話が多いのがオイツーだ。ちなみにオイツーというのはわたしの上の姉の息子で、2番目の甥のことだ。
オイツーとは彼が中学生の頃から、オイツーの母の実家である我が家で、オイツーにとっての祖父母(わたしの両親)と叔母(わたしのことだ)と一緒に暮らしていた。
なぜわたしたちと暮らしていたかについてだが、特段の事情は別にない。このあたりの話を書くと長くなるので、エッセイの『オイツー』をお読みくださるといいかなと思う。宣伝でした。
オイツーの話 小学生編
さて、これはオイツ-が小学生の頃の話。
上の姉がふと気づくと、オイツーが風呂場で手を洗っている。いつまでも洗っているのでどうしたかと見ると、指からだらだらと血を流していたらしい。
驚いた上の姉が事情を聞くと、オイツーは上の姉のドレッサーの引き出しの中を触っていたらしく、上の姉がお手入れ用に入れていたカミソリですっぱり指を切ったよう。
小さい頃からやんちゃなオイツーだったが、彼なりにまずいことをしたと思ったらしく、こっそり風呂場で血を流していたようだ。
もちろんそれで血が止まるということもなく、慌てて病院行きになったとか。
ちなみにこのときは指先を縫ったそうだ。
指先ねえ、わたしも経験あるけど、指先って縫うと痛いよねえ。(遠い目)
オイツーの話 10代編

人のことは言えないけど、なにやってんの?
今度はオイツーが10代後半の頃の話。
実家近くの田んぼ道を原付で走っていたらしい。そして、なぜそうなったかはわからないが、オイツーいわく『吸いこまれるように田んぼに突っこんでいった』んだそうだ。
(なにやってるんだ)
実家まではそのまま原付を運転して戻ったらしいが、目の近くを切って、だらだらと血を流していたとか。
上の姉に電話をして迎えに来てもらい、外科病院まで連れて行ってもらったそうだ。
そうです『それはわたし編』の『抜糸考』や『ある日の不幸な出来事』に登場する、腕はいいが処置が手荒い先生がいるという、あのR外科病院です。
R外科で目の下を縫ったそうだが、やはりというか、オイツーも麻酔なしで縫ったそうだ。何針縫ったか覚えていないとオイツーは言っていたが、あの病院は多少の針数では麻酔は使わないというポリシーがあるのだろうか。
顔面に迫ってくる針の恐怖、そして麻酔なしで顔を縫う、あわわ。
今も右目の下に傷が残っているとオイツーは言う。
縫った場所が目の近くなので、念のために眼科で目の検査をしたほうがいいと勧められたらしく、そのまま近所のR眼科に検査に行ったそうだ。
R外科とR眼科は名前が同じだ。なぜか。先生が兄弟だからだ。
え、まさか患者の紹介をしている? とか思うのは穿ち過ぎというものだろう、たぶん。
幸いなことに視力に影響はなかったそうだ。
オイツーの話 青年編

ホントになにやってんの?
さらに数年後。
ある日の会社帰り。わたしの携帯にオイツーからメールが入ってきた。
内容はなんだっただろう。『帰りにコーラとポテチを買ってきて』とかそんな感じだったと思う。
オイツーとはその頃一緒に住んでいたが、だからといってなぜにオイツーにパシらされなければならんのか。
自分で買いに行ってこい、とか返信したような気がするが、オイツーからは『買いに行けない』という返事。
なんで、と聞いたら『岩を蹴ったら足の指を折った。ギプスしてるから出かけられない』と。
わたしはオイツーに頼まれたものを買って帰った。
あんまり人のことは言えないけどさ、なにやってんの?