
スケートの話
あなたはスケート靴に轢かれたことはありますか。
わたしはあります。
あれはわたしが中学生のときでした。
同じクラスの友人5、6人と、スケート場へ遊びに行こうという話になったんですよね。
隣の市にスポーツセンターがあって、冬場はそこにスケートリンクができていたんです。
隣の市ということで、移動は電車でした。中学生の自分には電車に乗ることもちょっとした冒険でしたよ。田舎の子どもなんてこんなものです。
さて、とある休日、皆で隣の市へ行きました。
スポーツセンターへ行く前にちょっとしたハプニングがありました。わたしが電車に酔ったんですね。子どもの頃はいまよりもっと酔いやすかったんです。
駅に着いたとたんにトイレに駆けこんでリバースしましたよ。あのときは焦りました。せっかく皆で遊びに来ているのに、自分のせいで出だしからこんなことになってしまったと思いました。
でもせっかく来たんですからね、スケートをしたいと思いましたし、少し休んだ後でスポーツセンターへ行きました。
少し休めば回復したんですから、子どもって体力がありますよね。今なら一度リバースしたら数時間はへろへろになってしまいますよ。
さあ滑ろう

はしゃいでました
スケートリンクに着いたときはけっこうテンションが上がっていました。
スケートシューズを借りて、皆で滑り始めました。スケートシューズって重いなあ、と思いながら履いたことを覚えています。
その頃はスケートが流行っていたんですよね、けっこうお客さんが多かったですよ。
人の流れに乗るような感じで滑りました。なんせ初心者ですからね、滑ってるんだか転んでるんだか、という感じです。
最初のうちは手すりを掴んでよろよろ滑っていました。
それでも1時間も滑っているうちに多少慣れてきました。友人たちも皆滑るだけならなんとかできるようになったんです。
でもそのうちに調子に乗ったんですね。子どもにはありがちということでしょうか。
誰かが言い出したんですよ。手をつないで滑ろうよ、って。
おお、なんとなく展開が見えてきましたね。
5人だったか6人だったかで手をつないで滑り始めました。
一番手すり側に友人のひとりがいて、わたしはその隣にいました。手すり側から2人目ですね。
何メートルかは滑ったと思いますが、リンクの中央側にいた友人が転んだんですね。
なんせ手をつないでいたものですから、転んだ友人につられて次々に転んでいきます。
轢かれた

ハプニングが……
わたしも友人に左手を引っ張られて転びました。転んだはずみで右手をつないでいた友人と手が離れてしまい、リンクに右手をついたんです。
一番手すり側にいた友人は、手すりを掴んでいたので転ばずに済みました。
が、その友人の履いていたスケート靴のブレードが、わたしがリンクについた右手の小指の上を滑っていったんです。
ブレードに小指を轢かれてしまったんですね。第1関節のあたりでした。痛かったです。
幸いだったのはブレードがそこまで殺傷能力が高くなかったことでしょうか。
厚めの手袋をしていたのも幸いだったかもしれません。ぱくっと切れましたが、指はつながっていました。
よかったです。危うく中学生にして指を詰めるところでした。
ちょっと氷の上に血が垂れてしまったのが申し訳なかったですね。
それにしてもスケートといいスキーといい、ウィンタースポーツには痛い記憶が多いです。
スポーツに関する痛い記憶が、わたしをインドアへと向かわせるのかもしれません。
なるほど、自身の真実に気づいてしまいました。