聖夜と書いて悲しい恋バナと読む

天使

これは悲しい恋バナの話

ドラマみたいなきっかけ

これは同僚から聞いた、同僚友人の悲しい恋バナだ。
彼は東京で仕事をしていた。
彼女と出会ったのは書店だった。

東野圭吾の本を取ろうとしたら、横にいた女性も同じ本を手にしようとしたらしく、互いの手があたって本が床に落ちた。
慌てて本を拾い上げようとしたら、女性も拾おうとしたので、2人の手が重なった。
2人で顔を見合わせて照れ笑いする。
それが出会い。
だそうだ。

すいません、話の序盤でナンですが、そんなドラマみたいなことが本当にあるんですか。
書店ならたぶんあなたの友人の百倍は行ったと自負できますけど、1回もそんな出会いを経験したことはありませんよ。
試しにわたしも本を叩き落としてみたほうがいいですかね。
え、話が途中? ごめんなさい、続けてください。

そしておつきあい

連絡先を交換しあい、食事に行き、次の約束をし、そして順調におつきあいへと進んだ。
彼にとっては30才を目前にして初めてできた彼女だった。
つきあうようになって数ヶ月後、2人は初めてのクリスマスを迎えた。
彼はこの日のためにとリサーチした高級レストランを予約する。

彼はこのあとの段取りもすでに組んでいた。普段よりランクの高いホテルを予約している。きっと彼女も喜んでくれるだろう。
こんなに素敵なホテルで過ごせるなんて嬉しいと、いつもよりも盛り上がるかもしれない。
出費はたしかに痛いが、これも彼女のため、2人で過ごすクリスマスの夜のためだ。自分はこのために金を稼いでいるといっても過言ではない。

彼が奮発したコース料理も進み、2人の会話にも花が咲き、いい具合に酔いも回ってきた。
彼女の頬がほんのりと染まる。テーブルの上に並ぶのがデザートとコーヒーになった頃、彼女は切り出した。

「あなたに話さなきゃいけないことがあるの」
彼女の顔には愁いと決意が浮かんでいるようだった。
彼は戸惑いながらも、話ってなに、と聞く。

彼女の驚きの話とは

お、おお、ハードな話に……

「実はわたし、風○嬢をやってるの」

なぜその告白をクリスマスの夜にしようと思ったんだろうか、とわたしは首を傾げる。
しかし始めての彼女が嬢でしたか。それはショックでしょうねえ。
というか、風○嬢でもややソフトからがっつりハードまでけっこうジャンルが広い気がするんですが、その彼女のジャンルはいったいどのあたり?

「××××(倫理的に問題ありそうなので伏せ字)やってるの」
おお、がっつりハードなやつでしたか。
「スイートエンジェル(仮名)でマリア(仮名)っていう名前で仕事してるの」

マリア(仮名)は彼に名刺を渡したそうだ。
ご指名してね、ってこと?
今度からはお金を払ってね、ってこと?
彼は真っ白に燃え尽きたらしい。

どうりでテクが半端ないと思っていた、と彼は同僚に語ったとか。

その後その友人はどうしたの、と聞いたわたしに、同僚は、その悲しみの恋バナ以降の連絡はないと言う。
続きが非常に気になるので、連絡があったらぜひ教えて欲しい。

* 2人のレストランシーンを多少演出していることをここにお断りします

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