
夜中のネットでの買い物
あれはとある週末の真夜中のことだったと思う。わたしはパソコンで楽○市場を覗いていた。
特に急いで欲しいものがあったわけではない。なんとなく覗いていただけだ。
わたしにしては珍しく、ええ、本当に珍しく洋服を見ていた。
先日買ったスカート(Lサイズ)がぱつんぱつんで穿くことができなかったのは記憶に新しい。
このあたりの話は「ネットで買ったスカートが入らない」を参照していただけるといいかと思う。
「購入履歴」に表示されるスカートの画像を見て、なにやら複雑な気分になる。ああ、ラインのきれいなスカートなのに、そしてそれは手元にちゃんとあるのに。わたしにそれを穿くことはできないのね。
いやそれを穿くためにダイエットを決意したことも記憶に新しいのだが、そしてそれを実現するためにウォーキングに精を出してもいるのだが、今のところ成果が出ているとは言いがたい。わたしにしては頑張っているんだけどなあ。
おっと話がちょっとずれた。
それで、だ。洋服を見ていたんだよ。
良さげな物がありました。だが

だって良かったんだよ
前回のことが頭にあったからかどうか、わたしはまたもやスカートを見ていた。
短めのスカートが1着欲しいなと思っていたのだ。(なんせ前回買ったものが穿けなかったし)この年で短いフレアスカートというのもアレだから、見ていたのはタイトスカートだ。
すると、だ。けっこう良さげな物が見つかったではありませんか。
ラインがきれいで、ちょっと裾部分にだけフレアが入っていておしゃれな、お値段もリーズナブルなもの(ここ大事)だ。色は黒。
あ、これいいなあ、と思った。
生地は伸縮性があるものらしい。いいんじゃないですか。
が、宣伝用の文句にちょっと不安になった。「体にフィットするタイトなシルエット」?
モデルさんが来ている分にはとてもおしゃれに見える。が、確かにシルエットは体のラインに添っているように見える。
くどいようだが、モデルさんが着ている写真はとてもいい。だがしかし、このラインはどうなんだ。
前回買ったスカートもこんな風なラインではなかったか。これは危険なのではないか。
あきらめがたく、わたしは商品のレビューを見てみることにした。
おお、レビューもけっこういいではないか。
そうだよね、この裾にちょっとあるフレアーが大人かわいい感じでいいよね。
ふむふむとレビューをいくつか読んでみる。好意的なレビューが多い。
あるレビューに目が留まった。
「お腹ぽっこりが目立ってしまいます。痩せている人にはいいのかも」
確かこんな風に書かれていた。
やはりか、と思う。このスカートのラインだとやはりそうなってしまうのか。
好感度の高いレビューを書いている人は多いのだが、皆痩せている人なのだろうか。
わたしですか? あいにくお世辞にも痩せているとはいえませんな。
お腹ですか? ええ、ぽっこりしていますが、なにか。なんなら段もついています。
このスカートはだめか、とわたしは思った。
残念だなあ。デザインも生地もよさげなのに。
そう思った。確かにそう思ったんだ。
あのレビューはわたしへの警告だ。そうとまで思ったのだ。
ああ、なのになぜ、なぜわたしはスカートの購入ボタンを押してしまったのだろうか。
理由はよくわからない。真夜中の買い物だったからだろうか。真夜中に買い物をしてはいけないと誰かわたしに忠告をしてくれる者はいなかったのだろうか。
届きました。が、やはり

またやってしまった
数日後、くだんの「タイトなシルエット」のスカートは我が家に届いた。届いてしまった。
いや届くよね。買ったし。
どうしたかって? いや穿きましたよ。届いたし。目の前にあるし。
どうだったかって? ええまあお腹ぽっこりがよく目立ちましたよ。案の定というか、予想通りというか、まあそんな感じですね。
穿けないスカートがまた増えただけじゃないかって?
いやいや、今はまあ穿けないというか、穿くことに抵抗があるというか、穿いて外に出ることはできないというかですけどね。
前回の失敗でなにも学んでいないのかって?
それは違う。学んでいないわけでは決してない。これは、だ。これは、そう。
体を変えるためのモチベーションにするのだ。このスカートを穿くために運動を頑張ろうとか、今日もウォーキングに行こうとか、そういうものにするのだ。
ウォーキングに精を出していると、少し前の文章にもあるではないか。
え、成果は出ていないんだろうって?
それを言ってはいけません。