窮鼠猫を噛む あるいは 怒猫犬を潰す

怒るトラ猫
窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)

弱い者でも窮地に追いつめられると、強い者に反撃することがあるというたとえ── 新明解故事ことわざ辞典

男の子が襲われた!


何年も前に見たニュース映像だ。当時何度もニュースに流れたので、覚えている方もいるかもしれない。
飼い猫が子供を守るために犬と戦った、というものだ。

4歳の男の子が、自転車に乗って家の前の庭で遊んでいる。
そこに大きな犬が飛びこんできて(野良犬かと思ったが、後にどうやら近所の飼い犬らしいと判明)男の子の足に噛みつき、そのまま自転車から引きずり下ろしてしまう。犬は大きく、男の子と変わらないほどの体長をしていた。
音声がなかったのでわからないが、男の子は悲鳴を上げて泣いているように見える。だが犬が男の子を離す気配はない。

そこにシマの猫がものすごい勢いで突っ走ってくる。
当然シマ猫の体は犬よりもかなり小さい。なんせ男の子と犬が同じくらいの大きさだ。

シマ猫、タラの活躍

だがしかし、雌のシマ猫・タラの活躍は瞠目ものだった。
突っ走った勢いのまま、犬に体当たりしたのだ。
どれくらいの勢いかというと、男の子と同じサイズの犬がたまらずに男の子の足を離して、そのまま弾き飛ばされてしまったくらいだ。

すごいぞ、タラ! グッジョブ、タラ!
逃げる犬を容赦なくタラは追いかけ、追い払う。

グッジョブだ、タラ!

犬が離れたすきに、男の子は駆けつけた母親と思われる女性によって助けられた。
雌猫のタラは男の子の家で飼われていた猫だということで、ニュースでは、飼い主を助けた勇敢な猫として取り上げられていた。

それはどうだろうか、とわたしは思う。
いや、タラが勇敢な猫であることに異論はまったくない。
しかしだ、あいにくタラが何歳かはわからないのだが、男の子が4歳であることを考えると、男の子が生まれる前からタラはすでに飼われていたのではないだろうか。
だとすると、タラにとって男の子は弟のようなものなのではないのか。

タラの心情はいかに

タラの、文字通り体を張った体当たりは、
「ご主人様(の子ども)を助けなきゃ!」
というよりも、
「アタシの弟になにしてくれとんじゃ、このボケ犬!」
というものに見えてならない。

後のインタビューで、男の子は、
「タラは僕のヒーローだ」と語っていた。
男の子に撫でられていたタラの満足げな顔には、
「ま、しかたないわね。あんたを守るのはアタシの役目だしね」
と書かれていたように見えてならない。

なんていい猫なんだ、タラ。
見習ってほしいもんだよ、ホント。力の限りわたしを噛みしめてくるおまえのことだ、ウチのトラ猫!

ことわざは、「怒猫犬を潰す」のほうが合ってるかな

うーむ、しかし、窮鼠猫を噛むというより、怒猫犬を潰す

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