メガネをはずした話

メガネ猫

視力が落ちるのは早かった

あの頃コンタクトレンズは高かった

子どもの時から本を読むのは好きだった。部屋が暗くなっても気づかずにずっと本を読んでいた。
のが関係あるのかどうかわからないが、視力が落ちるのもわりあい早かった。

10代の終わりくらいにはかなり視力が悪くなっていて、裸眼では周囲は霧の中だ。
会社に入社した頃はメガネをかけていた。当時はフレームが太目の、レンズが大きいメガネをしていて、同期の社員たちに呼ばれていたあだ名は『アラレちゃん』だ。

女子力が底辺のわたしだが、さすがにお年頃でもあるので、コンタクトレンズに変えようかと考えた。
その頃コンタクトレンズはかなり高額なもので、両眼のレンズを買おうと思ったら、5、6万円ほどはかかったはずだ。

自分で稼ぐことができるようになるまではとても手が出なかったが、会社に入って給料をもらうようになったときに、さっそくコンタクトレンズを買いに行った。

ハードコンタクトレンズかソフトコンタクトレンズかどちらにするかで少し迷ったが、ソフトを選んだ。
なぜかというと、コンタクトレンズについての都市伝説にかなりびびっていたからだ。

いわく、コンタクトレンズをしたまま寝たら、レンズが乾いて眼球に張りついて取れなくなった。無理にはずしたら、眼球の『なにか』も一緒にはがれた。

あるいは、ハードレンズが目の中で割れた。あるいは、レンズの手入れを怠ったのでレンズにカビ(?)が生えて、それが眼球に付着した、などなど。

ハードだろうがソフトだろうが、コンタクトレンズの手入れを怠ったらレンズが汚れていいくのは一緒だろうが、あいにくハードレンズは実例を目にしていた。

コンタクトレンズのトラブル

10代の終わりに喫茶店でアルバイトをしていた頃の話だ。
常連客の若い男性がいたのだが、彼がハードコンタクトレンズを着けていた。
が、ある日、彼は知人の諍いに巻きこまれ、拳で語り合いをしたという。

メンズのやりそうなことではあるが、不運だったのは、語り合いの結果、彼が装着していたハードレンズが割れたことだろう。
わたしが働いている喫茶店にその日も彼は来店したのだが、彼の顔を見て驚いた。

黒目のふちに添うように、赤い三日月ができている。とても痛そうに見えた。
原因を聞いて2度驚いた。
そうか、目の中でレンズが割れると目に赤い三日月が発生するのか、と。

その恐怖から自分のレンズはソフトレンズを選んだ。
コンタクトレンズあるあるはよく耳にしていたので、手入れも頑張ったつもりだ。

が、時にはうっかりそのまま寝ることもあったりして、朝レンズを外すときにひやひやしたこともあった。
しかしやはりなにかが足りなかったのか、少しずつなにかが積もっていったのか、あるときトラブルを起こした。

コンタクトレンズをつけると目がちりちりと痛む。丁寧に洗って再度つけても痛い。
まばたきをしても痛い。これはおかしいと眼科へ行って見てもらった。
結果は『角膜びらん』だった。角膜の一部がただれたようになっていたらしい。

目薬を投与してなんとか症状は治まり、またコンタクトレンズをつけることができるようになったが、コンタクトレンズは恐い、という印象を持つには充分な出来事だ。

その当時は今のように使い捨てレンズなどはまだ出回っていなかった。
このままコンタクトレンズを使い続けるか、それともメガネに戻るか。

わたしが出した結論は、
「視力矯正をしよう」だった。
当時はまだあまりメジャーな方法ではなかったが、そうしようと決めるあたり、妙なところで思いきりがいい自覚はある。

再びメガネを使うように

またもやメガネが必要になったよ

視力矯正の話は、まあ、機会があれば別に書くとして、視力は格段に良くなって、ずいぶん生活が楽になった。
世界が違って見えるとはこのことだろうと思った。

さてそれからン十年。今度は手元が見えなくなってきた。読み書きをするのに不便になった。
そしてわたしはン十年ぶりにまたメガネをするようになった。

誰ですか、老眼鏡なんていってるのは。リーディンググラスと呼んでください。
微妙なお年頃なんですからね。言葉は大事なんですよ。

普段はメガネはいらないのだが、読み書きやパソコン作業をするときは必要で、そしてわたしは読み書きをしている時間が長いので、1日のうちのけっこうな時間をメガネをかけて過ごしている。

かけたりはずしたりがこれまた面倒だったりする。
そしてメガネをかけても、文庫本などの小さい文字が見えにくいのがなんとも不便だ。

そんなわたしが今気になっているのは、ICL治療だ。
眼内コンタクトレンズとも呼ばれるものだが、話に聞くところによるとえらくいいらしい。
その分金額もかなりいい。思わずたじろくていどにはいい。

ああ、誰かわたしにICL治療の案件を持ってきてくれないだろうか。
魂込めて体験談を書きますので、誰か、いかがですか。

しかし本当にそんな話がきたら、ヘタれなわたしはビビるに違いないな。

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