

愛すべき友人、ゾエへ
あなたに、かけがえのない存在が誕生したことを祝して

きみの目はまだなにも映さないね。
でもじきに、きみはたくさんのものを見るようになるだろう。
この世界を取り巻く、色鮮やかな、とても美しく、ときにはそうではないものも見るようになるだろう。
いまはまだ、わたしの指一本を握るのが精一杯のその手のひらに、きみはあらゆるものを掴む可能性を持っている。
そら、もうきみにはその兆しがある。
そんなにも懸命に手を伸ばして、きみはいったいなにをその手に掴もうとしているのだろう。
きみの声は力強く激しい。
いまはまだママとパパを呼ぶのが精一杯だけれど、じきにきみの声はこの世界の果てまで届くようになるだろう。
きみのママの傍らから、ママのママとパパはとても早くいなくなってしまったから、そのぶん、きみのママはより深くきみを見つめていたいと願うだろう。
いつかきみがママとパパの手を離れ、大切な人と手を取り合っても、きみのママとパパは離れたきみをそっと見守り続けるだろう。
そしていまはまだ遠いいつか。
きみを見守るママとパパの姿がなくなってしまったとしても、きみはきっと、大切な人たちと笑顔で明日を生きるだろう。
きみのママとパパがそう願いを込めた、その名とともに。