
飲みこむのがヘタになった話

ヘタれ闘病記もお読みくださると嬉しい
言葉を濁さなくなったとか、思ったことをすぐ口にするようになった、とかいう意味ではありません。それはタイトルの深読みというものです。
言葉どおり、モノを食べたり飲んだりするときに、飲みこむのが昔よりヘタになったんです。
年齢のせいで喉の筋肉が衰えたのかと考えたそこのあなた、ちょっとわたしと膝つめで話をしましょうか。
原因に心当たりはあるんです。
数年前ですが、わたしは手術を受けたんです。人生初の手術でしたが、それにしては大がかりでした。手術室にいたのは10時間ほどでしたか。
この手術及び闘病につきましては書いているととんでもなく長くなるので、『ヘタれ闘病日記──顔面けいれんだと思っていたら実は脳腫瘍で右往左往する、ひとりの会社員の話──』をお読みくださると嬉しく思います。宣伝でした。
で、手術を受けたんですが、その間は全身麻酔をしていましたので、人工呼吸器を着けていたんですね。おそらくはその影響かと思われるのですが、手術後、喉が塞がったような感じで声が出ないんです。
声が音にならないといいますか。
むせる
モノを飲みこむという動作がとてもしづらくて、特に液体は無理でした。手術後10日くらいはお茶にとろみをつけて飲んでいましたね。
とろみをつけないと、とんでもなくむせるんです。さらさらした液体が一番飲みこみづらいと初めて知りました。
まあとろみがあろうが固形物だろうがむせることに変わりはないので、術後しばらくは食事のたびにむせていましたけどね。
少しずつ飲みこむことがしやすくなり、またちょっとずつ声も出るようになってきたんですが。
完全には元のようにはならないんですね、これが。
手術を受けてから数年経ちますが、今でもちょっとしゃべりすぎると喉が痛くなって、咳きこんでしまいます。声が嗄れますしね。
あんまり叫び声も上げることもできないでしょうね。叫ぶこともあまりないですが。
そして、そう、タイトル回収です。モノを飲みこむのがヘタになったんです。
液体だろうが、固形物だろうが、なんの気なしに飲みこんだ途端にむせるんです。
普段はわりと気をつけているんですけどね。ちょっと油断するとむせますね。
またその『むせ』がけっこう急激に激しいものが来るものですから、ひとりのときはともかく、人前だったら焦りますね。
一応わたしにも恥じらいというものはありますのでね、ええ。
バッグの中の、すぐ取り出せるところにハンカチを入れるのは習慣になりましたね。
いつでも素早くハンカチで口を覆うことができます。自慢じゃないです。
やっぱりむせる

パソコンにコーヒーが……
ひとりでいるときは大丈夫かといいますと、これがまたそうでもないんです。
たとえばこうやってパソコンに文字を入力しているとしましょう。わたしは飲み物がないと文字が打てない病気ですので、傍らには常にマグカップがあるわけですよ。
次の文章を考えながらマグカップを口元に運ぶんですが、喉に流しこんだとたんにむせるんです。
今まで何回キーボードとパソコン画面にコーヒーを吹きつけたでしょうか。
それでも壊れないんですから、わたしのパソコンって丈夫ですね。
いやパソコン自慢をしているわけじゃないんですよ。
なにが言いたいかといいますと。
あなたがふらりと入ったおしゃれなカフェで、あるいはレストランで。あるいはファミレスで。
近くのテーブルに座っていた客が、食事の途中で激しくむせこんでいたとしたら。
あなたは、腹が立たないまでも、ちょっと嫌な気分にはなるかもしれません。
あらかじめ謝っておきます。ちょっと飲みこむときに油断しました、ごめんなさい。