
ネット通販を気軽に使えなくなった

実家にいたときは気軽だったのに
実家にいた頃はたいへん気軽にネット通販を利用していた。
誰かしら家にいるので、受け取りや配達時間を気にする必要がなかったからだ。
一人暮らしをし始めて、ここで困った。
まず受け取る日にちを考えないといけない。
平日は仕事があるし、週末を指定したほうがいいのか。
基本的にインドアなわたしだが、ときどきはでかける予定が入っていたりする。そうなると受け取りができない。
時間指定ができない荷物だったりすると、休日のけっこう早い時間に届いたりして、まだ寝ていたりする。
遠くでなにかが聞こえる(なにかじゃないよ、インターホンだよ)と思ったときにはもう遅い。受け取り損なってしまう。
平日の夜に受け取るようにしたほうがいいのか。
これも帰宅時間を考えると、けっこうな遅い時間になる。
宅配のお兄さんとはいえ、他人を遅い時間に部屋に迎えるのにはやはり抵抗がある。
荷物を受け取るまで落ち着かないし、家に帰ってきたというのに、てれんとした部屋着に着替えることもできない。
うっかり風呂に入ることもできない。
どころかトイレに入るのもタイミングを見計らわないといけない。
個室に入っているときにインターホンが鳴ったらどうしたらいいのだ。
せっかく待ち構えていたのに、ポストに不在票投函ではたまらない。
お兄さんだって二度手間だろう。この時間だと指定したからこんな遅い時間に持ってきてやったのにいないのかよ、と思われてしまうのではないか。
などといろいろ思考した結果、持ち運びできるサイズのものは会社に届けてもらうようにした。
会社なら常に人がいる。営業時間内にさえ運んでもらえばあとはなにを気にすることもない。
会社に届けてもらうようにしたら
しかしここにも落とし穴はある。
たとえば密林で本を購入したとしよう。
それも、書店購入だとレジに持っていくのをためらうような本を頼んだとしよう。
箱を持ち帰ってゴミが増えるのが嫌だから(密林の郵送時の箱はけっこう頑丈でカサがある)会社で箱を開けて中身を取り出すことになる。
面識のない他人が立っているレジに持っていくのをためらう本を、わたしは会社で手にしている。
同僚の誰にも見られないように、ひそかにバッグにしまいこんで持ち帰らねばならない。
これはなかなかにスリリングだ。
うっかりつきあいの長い同僚だったりすると、バッグの中に本が入っているのを見つけられ、なんの本なの、と手を突っこまれたあげくに引っ張り出されたりする。
これで以前冷や汗をかいたことが実はある。
本の表紙を見て一瞬静止した同僚から慌てて本を取り返したあとのやりとりはあまり覚えていない。泡を食った、とはああいうことを言うのだろう。
これはお仲間だと話は別で、お仲間の場合は、ねー見てみて、こんなの買っちゃった、と見せびらかし、えー、面白そう、読んだら貸して、などという楽しい会話を交わすことになる。
会社へ送付したときの落とし穴

お、重い……
違うところにも落とし穴はある。
予想以上に荷物が重かったり大きかったりした場合だ。
こんなに重かったのかと愕然とし、この荷物を会社から家まで持ち帰ることができるのかと悩むことになる。
ひいひいいいながら持ち帰ることが大半だが、下手したら会社までの送料をすでに払っているのに、新たに会社から家まで送料を払って運送便で送ることになってしまう。
荷物が大きいときも同じことがいえる。
以前、掛け布団カバーと揃いのシーツを買ったことがある。
カバーとシーツなら重さはしれているし、大きさだってたいしたことはないだろうと、わたしは迷うことなく送付先を会社にした。
数日後、会社に一抱えはある段ボール箱が届いた。
予想外の大きさにぎょっとし、ああそうか、クッションが大量に入っているのだろうと納得した。
開けてみたらぎっちり中身が詰まっていた。考えてみたらクッションが必要な商品ではない。
冬仕様あったか素材のせいでのふくらみであったらしい。
大型の紙袋2つがいっぱいになった。
しかも早く使いたいばかりにその日に無理に2つとも持ち帰り、ただでさえ通勤にでかいバッグを使っているのに、そこにさらにでかい紙袋が2つも加わるという、電車の中で大変邪魔な存在になっていた。
ネット通販はとても便利だ。きっとこれからもわたしは使い続けていくだろう。
とても便利で、そしていささかスリリング。それがわたしのネット通販だ。