千里の行も足下より始まる

猫と女性
千里の行も足下より始まる(せんりのこうもそっかよりはじまる)

もふもふが好きだ


突然だがわたしはもふもふが大好きだ。実家では猫を飼っていた。
今は外に部屋を借りているが、地元の賃貸物件の大半がそうであるように、この部屋もペット厳禁だ。動物は一時預かりも禁止されている。
もふもふ禁断症状が容赦なく出るが、動画を見たり、ご近所の野良っ子と遠目の触れ合いをしたりしてなんとかしのいでいる。

福岡市内にはペット共生マンションなるものがある。某有名人がプロデュースしたというその部屋は『猫と暮らすための部屋』だ。テレビや動画で部屋の紹介をしていたのを見たが、猫が暮らしやすくするためのいろいろな工夫が至るところに施されていて、どう見てもメインとして設定されている住人は人ではなく猫だ。

初めてそのマンションを知ったときは、福岡にもこんな建物ができたのか、いいなあと思った。建物を紹介するサイトをガン見したことを覚えている。
当然ながら愛猫家の熱い支持を受けているようで、部屋は常にほぼ満室だという。めったに部屋の空きは出ないし、仮にでてもすぐに埋まるらしい。

相場からすると少々家賃が高めに思えるが(わたしが地元の家賃と比較しているからだろうか)猫愛の強い同志の皆様にはそんなことは屁でもないのだろう。

もふもふと暮らせればいいなあ

地元にもペット可の物件がないことはないが、ペット可になるとちょっと条件が悪くなる。駅から遠かったり、築年数が古かったり、あるいは家賃が高かったり。(敷金が高くなるのはお約束だ)
駅近でオートロック(あるいはホームセキュリティ)という条件をつけると、ペット可物件を探すのは砂山で砂金を探すに等しい。

ああ、猫と一緒に住めるマンションはないだろうか。贅沢は言わない。駅近のオートロックで家賃と築年数はそこそこで、エレベーターと宅配ボックスと敷地内ゴミ置き場が標準装備のやつ。ゴミは24時間出すことができればいいな。

できれば建物の1階に動物病院とペットホテルとペットグッズショップがあればなおいい。猫の健康に配慮したフードは必須で置いてほしい。あとちゅーるもね。
そんなものあるか、と脳内で誰かが突っこみを入れたような気がする。

もふもふと暮らすのに必要なのは

もふもふと一緒に暮らしたいが部屋がない、と友人ネギに言ったときのことだ。
ネギは事もなげに返した。
「じゃあ、家買えば?」

家? え、家を買う?
猫を飼うために家を買う?
ちょっと待って、猫を飼うってそこまでハードルが高いんだっけ?

そんな馬鹿な、とは思ったが、は、と気づいた。
よもやこいつが家を買ったのは心置きなく猫を飼うためなのか。
聞いてみたい気はするが「そうだけど?」とあっさり返されそうで恐くて聞くことができない。

しかし、家を買うだと。猫の前に家なんて、考えたこともなかったよ。
ていうか、家っていったいおいくら? 買うためには一体なにから始めたらいいの?
わからない。家を買う景色が遠すぎて、その影も見ることができない。

しかしやはり金か、金なのか。
そうだ、貯金箱を買おう。5百円玉貯金とかどうだろう。一旦お金を入れたら壊さないと取り出すことができないというあれだ。いっぱいになると、3万円とか5万円になる缶があるはずだ。

5百円玉は順調に貯まっていった、缶を振るとじゃらじゃらと小気味のいい音がする。
じゃらじゃらの音が少しずつ重くなっていくのがなんとも楽しいではないか。
千里へと続く一歩めとして、こんなにふさわしいものもそうはあるまい。

え、ことわざを『焼け石に水』と間違えてないかって?
はっはっは、こいつはおいちゃん一本取られたな。

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