わたしに生えてくる白い悪魔の話

白い猫おばけ

白い悪魔がやってくる

白い悪魔が……

あなたは白い悪魔を知っていますか。
それはわたしたちの内部に潜んでいる。

わたしたちの体が未熟なうちは、それはずっと身を潜めたままでいる。
わたしたちが成熟し、良くも悪くも停滞し、そして衰えが見え始めると、それはここぞとばかりに姿を現し始める。

ある日突然、あなたは鏡の中に白い悪魔を見つける。そしてあなたは悲痛なうめき声を喉の奥で漏らす。
そう、その悪魔とは、

白髪のことだ。
大事なことなので繰り返そう。白髪のことだ。

ああ、なぜやつらはあんなにも主張が強いのだろう。
黒髪が次第に艶を失い、昔はあったはずの天使の輪もいつの間にか消え、度重なるカラーだのパーマだの縮毛矯正だののダメージが蓄積してくる頃に。

昔は太かったはずの髪の毛が次第に細くなり、髪を束ねて一掴みにしたときに、え、こんなに束が細かったっけ、とおののく頃に。
やつだけはきらきらと輝いて自己主張してくる。

なんだろう、あのうざいほどの自己主張は。
まるで職場での嫌な上司レベルだ。目の前から消し去りたいと心の底から思う。

白い悪魔は主張が激しい

最初は抜いていた。黒髪の奥に隠れるように、しかし隠しきれない輝きを持つ白髪を、必死で指先でつまんで、鏡をにらみつけるようにしながら抜いていく。
しかし鏡越しだと白髪が抜きづらいんだよ、まったくのところ。

白髪を抜いたつもりで、すぐそばの黒髪を抜いてしまう。白髪はなくなってないわ黒髪は減ったわでダメージは2倍だ。
ようやく白髪を抜いたと安心していてもすぐにまた新たな白髪が湧いてくる。

だがしかし、美容院のイケメンオーナーがわたしに告げる。
「白髪って、3回抜くと、その場所は空き地になりますよ」

空き地になりますよ、空き地になりますよ、空き地になりますよ。
あまりの衝撃と恐怖に言葉がループしてしまったよ。

白髪の量がちらほらどころではなくなった頃、わたしはやつを抜くことをあきらめた。
あの量を抜いたらとんでもないことになってしまう。
白髪も恐いが空き地も恐い。

白い悪魔の対処法

白い悪魔との戦いなのだ

しかし白い悪魔を放置しておくこともできない。
わたしは美容院のイケメンオーナーに頼んで、カラーリングをしてもらうことにした。

しばらくはいいのだが、しかしというか当然というか、髪は少しずつ伸びてくる。
カラーリングできれいに染めてもらった髪の根元から、黒かったりそうでなかったりする髪が出てくる。

ああ、なぜ新しく伸びる髪も白いのだろう。
髪は白いのが出てくるのに、なぜ目の下はクマで黒くなるのだろうか。
ちょっと話がずれた。

残念ながら、主にお財布事情で頻繁に美容院でカラーをするというわけにもいかないので、市販のカラー剤やカラートリートメントで対処をしようとしたこともある。

ここで悲しい事実に気づく。わたしは市販のカラー剤を使うと(ものによっては美容院で使っているものでも)アレルギーが出てしまう。
1度などはかなりえらい目に遭ってしまい、あれを経験してしまうと、市販のカラー剤を使うという暴挙は2度とできない。
わたしの事情を心得ている美容院のイケメンオーナーは、わたしにカラーを施す際はかなり気を遣ってくれる。ありがたいことだ。

美容院でカラーリングをするまでの合間の対策としてわたしが行き着いたのは、ヘアファンデーションだ。
根元にぼつぼつと存在を主張する白い悪魔を、見事に隠してくれる。

ヘアマスカラも試したが、わたしにはヘアファンデーションのほうが使い勝手が良かった。
スポンジやブラシで手軽に扱えるのが気に入っているし、シャンプーで落ちる。
難点は、シャンプーで落ちるくらいのものなので、手でうっかり触ったときに手が黒くなることだろうか。

白い悪魔を撲滅することができればそれに越したことはないのだが、ヘアケア業界の頑張りを期待したい。
いでよ、白い悪魔を追い払うエクソシストよ!

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