職場のトリセツ

脳には種類がある

職場の仲間

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筆者はこのかた

黒川伊保子 (くろかわ いほこ)
(株)感性リサーチ 代表取締役社長 人工知能研究者
1959年長野県生まれ。富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(現富士通)で14年間にわたり人工知能(AI)開発に従事。その後、コンサルタント会社などを経て、(株)感性リサーチを創業。ベストセラー『妻のトリセツ』をはじめとするトリセツシリーズが人気を博している。  著書の本人紹介文から抜粋

本の成り立ち

この書籍は、
第1章 職場のトリセツ
第2章 AIと人類の近未来
第3章 ダメな脳なんてない
第4章 男女の脳は違うのか
第5章 リーダーの条件
の5章から成り立っている。

書籍のタイトルにもなっている第1章の『職場のトリセツ』が、本書の半分近くの分量を占めている。
ここでの紹介もこの第1章の話に的を絞って書こうと思う。
もちろん第2章から後の話もすごく興味深くて面白い。AIや脳の専門家がそれぞれの章でなにを語っているのか。気になる方は、ぜひ書籍へGO!

たとえば男性上司と女性部下

また、男性全般に、敵味方や勝ち負けがはっきりすることを好み、ゴール(成果)を目指すことに本能的な快感を覚える傾向が強いはずである。そういう個体が、狩りや縄張りの現場で、生き残りやすいからだ。

さらに、危機察知能力も高くなければ、生き残れない。ということは「想定外」「不測の事態」に対する脳の反応が強く、かなりストレスが高いはず。
というわけで、男性脳は「定番」や「規則」を愛し、ルールや序列を順守する仲間を信頼する。直感が働き、臨機応変に動ける人間を、「会社に必要だ」と言いながら、好ましく思うことはできない。

勘と臨機応変が売りの女性脳からしたら、言いたいことが山ほどあるだろうけれど、組織を動かすためには、この感性が不可欠なのである。

女性部下が男性上司と話をしていて、上司の話がどうしても腑に落ちない、というか、納得できないときがある。
これは上司だけではなく、個人的なパートナーと話をしていても同じかもしれない。

まるで日本語の話せる宇宙人の話を聞いているような気分がしてくる、というと少々おおげさかもしれないが、どうしようもないすれ違いのようなものを感じることは多い。

筆者はそれをそもそもの男性脳のありかた、女性脳のありかた、ということで説明をしている。
狩りをして獲物を捕らなければ生き残れなかった男性、周囲の女性たちと協力しなければ子供を生み育てることができなかった女性、両者の感性が同じなはずがないと。

ではどうすればスムーズに話をすることができるのか。
男性脳、女性脳のありかたを知り←ここ大事、それに合った話の進め方が必要になってくる。

男性上司が女性脳のありかたを心得ていないと、優秀な女性部下であっても不幸なことになってしまう。なぜなら、

直感が働き、仕事の流れををつかむのがうまく、臨機応変で、ときに、感情の揺れに任せて「ことのいきさつ」をしゃべりだし、根本原因にたどり着く。これこそが、デキる女性脳の資質である。 
しかしながら、男性脳型組織の中では、直感が「論理的でない」に、臨機応変さが「信頼できない」に、おしゃべりが「愚か」に、根本原因を追及する態度が「強情」に見えてしまう。

だからだ。
男性上司に、自分の話しかた、話の進めかたがどのように思われているのか、誤解されないためにも、振り返ってみたほうがいいかもしれない。

わたしは会社員の頃は、上司に話をするときは、「最初に結論を言う」を意識していた。
後は話す内容が複数あるときは先にそれを告げておくとか。「2つお話ししたいことがあります」という具合だ。
筆者もそういったやり方を著書の中で推奨していたので、あれでよかったようだ。

理想の自分を目標にしてはいけない

「理想の自分」を脳の目標にしてしまうと、脳の世界観が「自分」でいっぱいになってしまう。
このため、自分が叱られたり挫折したりするたびに、脳の座標軸が揺らぎ、目標を見失って、脳のストレスが甚大になるのだ。「組織の成果」が脳の目標ならば、自分の挫折なんて、脳にとってもちっぽけなことなのに。

大きな目標のために、小さな歯車になる」ことの個人の脳への利点は、たしかにあるのである。脳の世界観が大きいので、日々の小さなことが気にならない、という。

なにかミスをしてそれを上司に注意されたとき、自分の仕事のやり方すべてを注意されたような気になってしまう。もっといえば自分の人間性すら否定されてしまったような。

あとから考えればそんなことがあるはずもないのだが、注意されたそのときは、頭にがーんと大きな石が落ちてきたような気分になって、そのまま地面にめり込んでしまいそうなくらい落ちこんでしまう。注意した上司を恨んでしまったりもする。

あれも、脳の世界観が「自分」でいっぱいになってしまっていたからだろうか。
たしかに、上司は「組織での仕事」のひとつとしてわたしの仕事にダメ出しをしただけで、そこにわたしの人間性に対する考えなどない。ないはずだ、多分。

あんなにショックを受ける必要はなかったのだ。
「脳の世界観」を大きくすることは、自分を守るためにもアリだ。
そして、仕事でミスったからといって、自分を否定する必要はない。

経営者になってみてわかったが、命にかかわらない失敗は、実のところ、会社にとっては想定内だ。会社も上司も、「想定内の失敗」を繰り返して成長してもらうつもりなのである。社会人生活が長いと、失敗が次の新発想を生むのも、よくわかっているし。

人類の身体タイプは4種類

人は身体の使い方でタイプが分かれるらしい。(驚いたときのとっさの行動とか)タイプの詳しい説明は割愛するが、(気になるかたは書籍へGO!)ここではタイプが異なるということだけ触れておく。

残念なことに、人は「自分と違うタイプ」を見下したり、逆に劣等感を抱いたりする。
「自分と違うタイプ」の部下が、自分が言ったようにできないことにイラつき、一方で、自分が不得手なことができることに嫉妬する。優越感と劣等感がないまぜになって、威嚇するしかなくなってしまう。

どの脳も、できることとできないことがある。
脳は万能で、優秀な人と、優秀でない人がいる。そんなふうに勘違いしていると、常に部下が不誠実に見え、自分は劣等感地獄に落ちてしまう。

「やればできる」なんて、嘘だもの。たしかに、やれば、できないことはないが、自分に合わないやり方では、精度が悪い。ときには危険で、体を壊したりもする。「自分に合わないやり方」で生きれば、借り物の二流以下の人生になってしまう。
「やれば、できる」なんてことばに慰められている場合じゃない。
自分や仲間の「できること」と「できないこと」を見極めて、できることを活かし、できないことは別の誰かにやってもらえばいいと腹をくくる。それこそが人生達人のコツである。誰かにイラついてしょうがなかったら、あるいは、誰かに劣等感を抱きそうになったら、「得意なことが違うだけ」と、呪文のように言ってみよう。

「得意なことがちがうだけ」と割り切って、自分と違う誰かにイラつかない、誰かと違う自分に劣等感を抱かない。

会社員だった頃、同僚に、とても要領のいい人がいた。その人は、わたしが苦手なことを得意にしていて、あんなことができるなんて羨ましいなあ、とよく思っていた。

ところが、そんな同僚にも不得手にしていることがあり、その人はその不得手な仕事を他の人にうまく回したりしていた。
これはあなたのほうが得意だから、と、仕事を持ってこられたこともある。

正直、ずるいなあと思ったこともあったが、あれはあれでひとつの正解のやり方だったのだろうとこの本を読んで思った。
お互い得意なことが違うのだから、お互いの得意なことをすればいいのだと思えていれば、相手をずるく思うこともないし、余計な劣等感を抱くこともないのだ。

現実はなかなか難しく、だからひーひー言いながら苦手な仕事をこなしていかないといけないのだが、「わたしはこれが得意だからこれをする。あなたはこれが得意だからこれをして」とお互いに言える職場なら、どんなに素敵だろう。

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