セミリタイアしてから本を読む時間が増えた
今日も本を読もう
会社を退職してからこっち、短時間の仕事をしている。まあ、セミリタイアというやつか。
時間ができたので、地元の図書館で本を頻繁に借りている。
会社員をしていた頃も図書館はよく利用していたが、あまり本を読む時間が取れなかったりして、貸出期間と借りた冊数に読むスピードが追いつかずにときどき延滞していた。
会社がある市の図書館は大きくて、新刊もよく入ってきていたし、蔵書量も多かったしで、興味のある本が多すぎたというのもある。
地元の図書館は、勤務先だった市に比べたら蔵書量では及ばないだろう。(市の大きさが違うしな)興味のある本が図書館に置いてなくて残念になることはあるが、読みたい本とその貸出期間に追われるようなことはないのが幸いか。
これは自慢ではないが、地元の図書館で本を借りるようになってから、延滞したことは1度もない。(いや、当然のことなんだけどね)
本を読む時間が取れるようになったので、今まで手を出す余裕のなかった作家の本も読むようになった。新規に開発した作家も多い。
昭和中頃のミステリ
そして、きっかけはどういうものだったか忘れてしまったが、わたしは昭和中頃に書かれたミステリに手を出した。1冊読んでみるとこれがけっこう面白く、作家を変えて次々に手を出している。
舞台は昭和30年代頃が多い。
ミステリとしての内容も面白いのだが、時代なりの特色がこれまた面白い。
携帯電話などもちろんないので、連絡を取るのに公衆電話をあちこち探していたり。
遠距離の相手と話すのに、「長距離電話を繋いでもらう」必要があったり。
電話ボックスの中で不自然な死に方をしている人の謎解きがあったり。
若い女性との会話シーンで、相手の女性が「まあ、そんなことあたくし存じませんでしたわ、あなた、お聞きになったことあって?」などと話す。
これで年齢設定は20才そこそこだったりする。現代ならネタにしかならないような言葉遣いだ。
なんと喫煙に関して緩いことか
あっちにもこっちにも煙草が
そして、時代だなあ、と思うのが、喫煙に関する緩さだ。いいかげんさともいえるか。
読んでいるのがミステリというのが関係あるのかどうなのか、登場人物の喫煙率がやたらと高い。(わたしが読んでいる本だけか?)
メインの登場人物が皆喫煙者で、煙草を吸いながら話をする。そして煙草を吸うシーンがやたらと多い。
話している相手にお茶かコーヒーでも勧めるように煙草を勧める。
会社の応接室のテーブルの上に、煙草を入れたケースがある。そしてそれを客に勧める。
病院に来た見舞客が、病室で煙草を吸う。
探偵も煙草を吸うし、相談者も煙草を吸う。
数え上げたらキリがなくなりそうだ。
そういえば昔はテレビで煙草のCMもがんがん流れていたような記憶がある。
街中にも煙草の広告がでかでかと貼られていた気がする。
愛煙家には過ごしやすい世界だったんだろうなあ。
ついでに思い出したけど、わたしが会社に入った頃は(一応平成です、念のため)まだ分煙なんてものもなく、喫煙する社員は皆自分の席で好きに煙草を吸っていた。
喫煙人数も多かったから、煙草の煙もすごかった。
応接室で数人が煙草を吸っていて、天井付近に煙の層ができていたりした。
1日仕事をしたら、自分の髪が煙草臭くなっていたものだ。
ちょっと話がずれたが、その時代の風俗が読めるところも、「少し前の時代」の小説を読む面白さだと思う。
時代物の小説とはまた違った面白さだ。なんとなくのハマりぐあいは、まだしばらく続きそうだ。