
わたしが大変便利に使っている図書館(の分館)
勤務先の近くに市の図書館の分館がある。
会社の昼休みに立ち寄ることのできるその分館を、わたしは非常に便利に活用していた。
今は図書館のホームページで本を予約することができるし、本の受け取り場所を、本館でも分館でも好きな場所に指定することができる。
分館を指定すればそこまで本を配達してくれるし、返却も分館にすればいい。
ビバ、図書館システム! 素晴らしい!
というわけで、だいたい週に1度の割合で図書館の分館に立ち寄っていた。
ありがたい限りのシステムで、なんの不満もない。
不満はない、が、いたたまれないことはある。
分館は、商業ビルのフロアの一角にある。
その図書館分館はどうやら子ども向けらしく、置いている本の冊数はあまり多くない。そしてほとんどが絵本だ。
どうやらフロア自体が親子向けに作られているらしい。
キッズコーナーがあり、親子向けの教室や相談室が設置されている。
分館に行けば高確率でベビーカーを押したお母さん達の姿があるし、にぎやかな子ども達の声が響いている。
安心して子どもを遊ばせることができる、お母さん達にとっては貴重な場所なのだろう。
図書館分館のスタッフさん達(キッズコーナーのスタッフも兼任しているらしい。どちらも市の運営なのかもしれない)もほぼ女性で、年配の方が多い。
そして皆さんピンクのエプロン姿だ。
ピンクに混じるおじさまに親近感を抱く

確実に浮いている
浮いている。
会社の制服で来ているわたしは確実に浮いている。
だがしかし、本の紙、じゃなく本の神はわたしを見捨てなかった。
図書館のカウンターにはおじさんが座っていらした。
わたしの知る限り、図書館スタッフでは唯一の男性だ。
おじさんはカウンターのパソコンに向かいつつ、大量の本の取り扱いをしている。
本を扱っている姿が実にしっくりきていて、古書店の店主のようなたたずまいだ。
そしてピンクのエプロンは着けていない。
ピンクに囲まれたグレーのおじさま。
うーむ、浮いている。
なんだろう、この湧き上がる親近感は。
足繁く通ううちに、いつの間にか顔と名前を覚えられ、ちょっとした世間話などもするようになった。
カウンターの上に返却する本を出すと「沖端さん、予約している本が届いているよ」と取り置きの本を置いている棚から本を出してくれる。
常連客になったような嬉しさとくすぐったさを感じる。
分館に立ち寄って、ピンクに囲まれたちょっと浮きぎみのおじさんの姿を見るとなにやら安堵する。
わたしの今の心配事は
そんなわたしの心配は、おじさんのわたしを見る目が冷たくなっていかないかだ。
本を前にすると簡単に理性が飛んでしまうわたしは、常に手に余る冊数を借りており、また、予約もしている。
「沖端さん、予約している本が届いてるよ、4冊」
「あ、はい、えーと、2冊だけ受け取っていこうかな、あはは」
だってまだ家に5冊あるんです。今日借りても読めないんです。しかも5冊のうち2冊はすでに延滞しているんです。
「沖端さん、予約している本が届いてるよ、3冊」
「えーとえーと、今日は返却するだけにしておきます。また来週来ますので、すみませんが置いておいてもらえますか、あはは」
だってまだ家に(以下略)
「沖端さん、予約している本が」
ごめんなさいごめんなさい、もう考えなしに本の予約を入れません。
なんでこんなに反省しているのに、本を前にしたら忘れるんだろう?

いつもいつも反省(だけ)はしているんだよ