
それはどこにでもある理不尽な言いがかり
あなたは理不尽な言いがかりを受けたことはありますか。
わたしはあります。といいますか、生きていればそんなこともありますよねえ。
世の中の試練の多さにちょっと涙が出ちゃう、だって女の子だもん。
というわけで、今回はわたしが飲食店でアルバイトをしていた頃に酔っ払いに(ちょっとだけ)からまれた話をご披露しましょう。
あれはわたしがまだ10代の頃でした。10代の終わりでしたね。
駅ビルに飲食店街がありまして、その中のひとつの店でアルバイトをしていたんです。わたしがアルバイトをしていた店はアルコールは出さなかったんですが、場所が駅ビルですし、周囲にはお酒を出す店もあるしで、夜遅い時間帯になるとわりと酔っ払いがいたんですね。
そろそろ営業時間も終わり近いという頃、ひとりの男性が店に入ってきました。
50代くらいでしょうか。会社帰りという雰囲気です。
だいぶ酔っているのがわかりました。顔は赤くなっているし、足取りも危ういです。
男性は店に入ってくるなり「○○!」と注文をしました。
それは一人の酔っ払い

酔っ払いがやってきた
そのときホールにいたのはわたしひとりだったと思います。厨房には何人かいましたけどね。
男性が入ってくるなり怒鳴るように注文するのに、え、と思いました。普段なら、テーブルに着いた後にお水を持っていって、そこで初めて注文を取りますからね。
そのときわたしは他の来店客の相手をしていました。男性が注文した内容は聞こえてはいましたが、なんせ来店客と話をしていましたので、片耳で聞こえた注文内容に確信が持てません。
男性客がテーブルに着いたのを確認して、わたしは男性客へと水を運びました。
「ご注文は○○でよろしいですか?」と、さっき聞いたとおぼしき注文名を繰り返します。
男性客はむっつりと口をつぐんだまま、返事はなしです。
「あの、ご注文ですけれど」
わたしが再度口にしたとき、男性客が怒鳴り始めました。
「○○って言うたろうが、何回繰り返さすっとや! 聞きよらんとか、おまえは!」
うーん、九州弁で書くとずいぶん乱暴に聞こえますねえ。これでも少しは柔らかく変換したんですよ。放送禁止用語を使われましたしねえ。
男性客の声が大きいものだから、店内の視線がいっぺんにこちらに集まりました。
なんせまだ10代の頃でしたしねえ。けっこう腹が立ちました。
たいがいいい年になった今なら、会社で嫌なことがあったんだろうなあとか、上司か取引先に無茶なこと言われたんだろうなあとか、それでやけ酒を呷ってきたんだろうなあ、とか生温かい目で見ることもできますけどね。
まあ生温かい目で見ることは見るとして、会社でなにがあったか知らないけど、だからって飲食店のスタッフに怒鳴り散らすなんてケ○の穴のちっちぇえ男、とも思いますがね。
八つ当たりされて悔しかったですけど、これも仕事です。注文された品を厨房に通し、男性客のテーブルまで持っていきました。
慰められると弱いです

別のお客さんに慰められた
その後、別の男性客が店を出ようとしたので、レジへ行ったんです。
若い男性客でした。その人は、わたしにお金を支払いながら「あまり気にしないようにね。ああいう人はどこにでもいるから」とそっと言ったんです。
嬉しかったですね。でも、慰められると涙腺って壊れるものなんですよ。
若い男性客を見送ったらそれまで張っていた気が一気に緩んで、涙がこみ上げてきました。
ぐすぐすと鼻をすすりながら、どうしよう、止まらないよ、と焦りました。
わたしのことを気にしてくれたのでしょうか、厨房から別のバイトの女性が出てきてくれたので、わたしはその女性に後を頼んで一旦店を出て飲食店街共通の洗面所へ行きました。
しばらく個室に籠もってしまいましたよ、我ながら情けないですね。まだまだ経験値が足りない頃です。
わたしが泣きながら店を出たことで、酔っ払い男性客が居心地が悪くなっていたらいいなあ、とちょっと思いました。あまり性格はよろしくないんです、わたし。
ここまで書いて思い出したんですが、わたしの酔っ払い嫌いの原点は高校受験日の前日の出来事だと思っていたのですが(詳しくは『それはわたし編』の『あれは受験日の前日のことだった』をお読みください。宣伝でした)この一件は、酔っ払い嫌いの重ね塗りの案件でしたね。
腹が立った話はこれにとどまらずにあれこれありますねえ。
機会がありましたらまた書きますのでよろしかったら読んでやってください。
後年、理不尽な目に遭ったときは「エコエコアザラク」で呪いをかけるという方法をゲットしましたので、都度実行しています。
信じるか信じないかはあなた次第です。