スキーの思い出

雪だるま

雪について

わたしは福岡在住だ。雪の思い出はあまり多くはない。雪が降らないわけではないし、積もらないわけでもないが、雪が積もりでもしたら大騒ぎだ。
わたしにとっては雪イコールあまり目にしないもの、積もったよ、あらびっくり、というものだ。

わたしの好きな作家に北海道在住の方がいる。その人のエッセイにはよく雪かきの話が出てくる。毎日毎日雪かきとか、日本には雪かきをしないでいい地域があると聞くがきっとおとぎ話だとか。力を抜いて読むことのできるその人のエッセイがわたしは大好きだ。(ちなみにわたしは雪かきをしたことはない)

わたしもあの人みたいなエッセイを書きたいと私淑している。
おっと話がずれたね。

スキーの思い出

スキーの初体験の話

というところで、今回は雪の思い出。
高校の修学旅行は長野県へスキーに行った。わたしにとっては初めてのスキー体験だ。聞くところによると、修学旅行がスキーというのは引率の先生方にとっては楽でいいらしい。
あちこち名所を連れて回らなくていいのと、生徒が夜旅館を抜け出す心配をしなくていいからというのが理由らしいが、本当だろうか。
そういえばわたしの姪っ子の高校の修学旅行は海外だったらしい。時代だろうか。高校生のうちに海外へ行くなんて、いいよねえ。

話を戻そう。というわけで、長野県へスキーに行った。夜行列車を使った覚えがある。
記憶をひっくり返しているが、夜行列車を使ったのが片道なのか往復なのかは思い出せない。使ったのは確かだ。

スキー場へ着いたのは午後遅くになってからだったと思うから、その日は滑らなかったのではなかったろうか。
翌日の朝からスキー教室は始まった。そしてその日は朝から吹雪いていた。
繰り返そう、吹雪いていた。雪が斜めからたたきつけてくる。

だがしかし、吹雪いているからといって修学旅行のスキー教室がなくなるわけはない。
わたしたち生徒は、吹雪の中で震えながらスキーをした。
このときのスキーで、まつげや鼻の穴が凍るという初体験をした。

インストラクターの指示に従って、こわごわとスキー板を滑らせていく。
ほぼ全員初心者なので、ボーゲンなどの簡単な滑りかたを教わっていった。
しかし、なんせ吹雪だ。視界は悪いし、とにかく寒い。

福岡在住なのと関係あるかどうかは不明だが、わたしは寒いのは苦手だ。
本音を言えば、スキー教室に参加しているよりこたつに入っていたかった。
ある程度ボーゲンに慣れたところで、ちょっとした坂をインストラクターが滑り降りていく。
そして坂の下からわたしたちに言う。ひとりずつ滑ってくるように、と。

くどいようだがあたりは吹雪だ。インストラクターの姿も降る雪の向こうにある。
こ、この坂を滑っていくの?
おせじにも運動神経に恵まれているとはいえない自分を自覚しているので、わたしは呆然とインストラクターの姿を坂の上から見下ろした。

吹雪の中を滑ったら

それでも滑らなければいけない。順番が来て、わたしは覚悟を決めて滑り始めた。
妙なところで思いきりがいいのがわたしだ。
滑り始めたのはいいが、ボーゲンはどこへ行った、という滑りかたになった。

冷たい、痛い……

風を切って滑り降り、結果として、わたしはインストラクターから少し離れた場所に、顔から突っこんでいった。あのときの雪はたいそう冷たかった。
わたしにとっては、スキー、イコール冷たくてまつげと鼻の穴が凍って、おまけに痛いだ。

ああそうそう、修学旅行のときに宿泊した部屋は暖房が壊れていたよ。
大広間に用意されていた食事はほぼ冷めていたよ。
スキーの印象に寒いとご飯が冷たいも加えてください。

3日半くらいはスキー場にいたと思うが、晴れたのは帰る日だけだった。午後にはスキー場を出発したので、その日は午前中だけスキーをした。
あとの3日間はずっと吹雪いていた。

修学旅行以来、一度もスキーに行ったことはない。
わたしをスキーに連れてって、と言ったことももちろんない。

タイトルとURLをコピーしました