某互助会の解約

怒る猫

互助会に入っていた?

そんなの入ってましたっけ?

心当たりはなかったが、わたしは某互助会に入っていたらしい。
実家に某互助会の人がやってきたそうだ。

わたしは外に部屋を借りているので、実家に住んでいる姉から連絡が入ってきた。
先方は名刺を置いていった。そこに書かれた本部の電話番号に電話を欲しいとのこと。

某互助会? とわたしは姉からのLINEを読んで首を捻った。
入会した心当たりがまったくない。満期になったらしいが、入会した覚えもないものがなぜ満期になるんだろう?
なぜわたしを訪ねて実家へ来る?

こわ、となったところで思い出した。かなり昔の記憶だ。
そういえば、母が昔「おまえの名前で互助会に入ったよ」と言ったような言わないような。
あれはいったいいつの話だ。軽くン十年前だ。この記憶を引っ張り出した自分の脳みそに乾杯したい。

母に始末を押しつけたいところだが、なにせ母も高齢だし、そういうわけにもいくまい。
わたしはしぶしぶ名刺に書かれた「本部」へ電話する。

電話に出た人に、名刺に書かれた担当者の名前を告げ、実家への訪問があった旨を話す。
本部の人からは、訪問の用件は担当しかわからないから、担当から改めて連絡させると言われる。

ええ、なぜ担当さんは、本部に電話するようになんて言ったんだろう。
そのときは仕事の時間が迫っていた。ついでに週末だった。週明けに改めて担当の人から連絡をもらうことになった。(ちょっと面倒)

週明け、担当さんから連絡が入る。
わたし(の名前でたぶん母)が入会してからだいぶ年数が経ったので、登録したときの情報に変わりがないか訪問して訊ねていたとのこと。

わたしはすでに考えていたことを口にした。
「満期になったとのことですので、解約したい」

面倒なのは予想していたよ

この後の担当の人とわたしの間でのやりとりは、まあ書くほどのこともない。あれやこれやと聞かれたが、解約したいで押し通した。
担当さんは、「解約するためには別の部署(?)に電話連絡してもらわないといけない」という。
ええ、あなたじゃだめなんですか。

なんの解約でも面倒だなあ、と思いながら、言われた電話番号に連絡する。

電話に出た女性に、これまでのいきさつと、解約したい旨を告げる。
あれこれと引き留められたが、ここも割愛。

するとお姉さんが続ける。
解約の担当の者から改めて連絡させますので、日程の打ち合わせをお願いします。
お客様のご自宅へ訪問しての解約手続きとなります。

訪問?
担当の人が訪問しての解約?

令和現在なのに。
ネットでもなくて、書類を郵送してでもなくて、訪問しての解約手続きなんですか?

何度も確認したが、解約手続きは訪問してじゃないといけないらしい。
書類を郵送しての解約はできないのかというわたしの言葉は、やんわりとだが拒否された。

身内でも友人でも業者さんでもない人をひとり暮らしの部屋に招かないといけないとは。
めんどくさ、とわたしの奥底から声がする。

うーん、なんだろう、このプライベートにずんずん入ってくる感じ。
まあ一昔前なら、自宅に訪問しての手続きなんて珍しくもなかったわけだし。
この、インナースペースに相手が入ってくる感じが心地良い人もいるんだろうなあ、きっと。

解約の担当さんという人から、改めてわたしへ連絡が入るらしい。
何回も電話をしたはずだが、ここに至るまでに話が進んだのか停滞しているのかわからない。

よもやこれは解約手続きをできるだけ面倒にして解約させまいとする陰謀なんだろうか。
前に保険を解約したときにも同じようなことを考えたのを思い出した。

いわゆるひとつの攻防

メンドクセェ

翌日、電話がかかってきた。
解約の担当者という人なのだろう。年配の女性だった。
解約の意志の確認をされる。

予想通りというか、引き留めにかかられた。
花嫁衣装に使うこともできるんですよ、と。
誠に残念ながら、花嫁衣装を借りるような年齢ではない。

そのほかにもいろいろ使うことができるようだったが、ごめん、頭から抜けた。
「はあ、でも使うこともありませんし」とぼんやりした返事をするわたしに、
「でも20年前くらいにお衣装を借りられていますよ」と年配の女性は言う。
20年前?

わたしは過去に花嫁衣装を着たおぼえはない。わたしには姉が2人いるので、姉たちのどちらかが借りたのかとも思ったが、それにしては年数が合わない。
20年前に花嫁衣装を借りるような行事はなかった、と言っても、記録が残っている、と婦人は言う。

まあ仮に20年前に借りたのが(誰かは知らないが)本当だったとしても、それから20年間利用することはまったくなかったということですよね。
わたしの解約の意志は揺らがない。

婦人は、手続きをするために○日の○時に伺います、という。
都合のいい時間ではなかったので、他の日程を検討しているうちに、ちょっと面倒になった。

訪問じゃないと解約できないならしかたがないかとも思ったが、わたしが住んでいるのはワンルームと1Kの中間のような部屋だ。
部屋に一歩入れば、隅々まで見えてしまう。ベッドまで、余すところなくだ。
見知らぬ人を招きたい環境ではけしてない。

攻防は続く

「すみませんが、解約書類を郵送していただくことはできないんでしょうか」とわたしは言った。
婦人は渋っている風。
書類に不備があったときに手直しをしてもらうためにまた送らないといけないとか、訪問していたら手続きはその場で済むからとか。

それはそうなんだろうが、不備がないような手段を考えていただけないものかな。
「漏れがないように、記入が必要なところをえんぴつで○を書いてもらうとかできませんか」
「まあ、それは、見本をおつけしますが。どうしても郵送がいいということでしたら」

わたしの姿勢がひかないものだと伝わったのだろうか。婦人が譲歩する気配になった。
すみませんねえ。そちらのルールに合わないことを言っているという自覚はあるんですよ。

でも郵送で済むならそれに越したことはないと思うんですよ、お互いの時間のためにも。
おいでいただいても、わたしの解約の意志は変わりませんしね。

なかば押し切るような格好になってしまったが、無事書類を郵送することで話がまとまった。よかったよかった。
後は書類を待てばいい。
ちょっと日数がかかったが、ようやく書類が郵送されてきた。記入が必要な箇所に○印もつけてある。よしよし、やればできるではないですか。

無事書類に記入をして、ようやくトータルでいったい何日かかったかわからない解約の手続きをすることができた。

あとびっくりしたことは、解約手数料として、満期になった金額の20%を持って行かれたことですかね。
某互助会、恐ろしい子。

手数料、高っ

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