
ガードレール

気合いを入れて出発だ
ある日曜日の早朝、わたしはできるだけしようと心がけているウォーキングをしていた。
根っこがひっきーなので、気合いを入れないとウォーキングもできないのだよ。
ウォーキングの目的は運動不足解消とダイエットなのだが、ダイエット的な効果はほんの少ししかない。なぜだ。
2月下旬の早朝は、空気が多少冷たいと感じるが、寒いというほどでもない。1ヶ月前は風が突き刺さるほど寒かったのに、春が近づいているなあと思う。(暦の上では春なのだろうが、体感ではまだ冬だ)ちなみにここは福岡だ。
ウォーキングコースに川沿いの道が多いのだが、ガードレールがかけられているところがある。
見てみると、ガードレールの一部がものすごく歪んでいる。大きく川側にVの字にへこんでいるのだ。
どう見ても運転操作を誤った車が突っ込んだあとにしか見えない。見晴らしのいい道なのに、おとといまではなんともなかったはずなのに(昨日はウォーキングをしていない)、いつの間にこんなことになっていたのか。
こんなにガードレールがへこんでいるところを見ると、車の被害も大きかっただろうなあと、見も知らぬ人の車の修理代に思いをはせながら通り過ぎた。
大型のワンコ
ガードレールから5分くらい歩いたところで、犬の散歩をしている人がいるのに気がついた。
散歩をしているのは若いお兄さんだ。20代前半くらいだろうか。
時刻は午前7時前くらい。若いのに朝が早いのだなと思った。
わたしですか? ソファで寝てしまって起きたら午前3時だったので寝直すためにベッドに入ったけど寝付けなくて午前4時に起きだしてからの今ですがなにか?
眠くならないのかと聞きましたか。そうですねえ、今までのパターンからすると昼くらいにソファに撃沈しますかね。
違う、わたしのことはいいんだ、そう、ワンコだよ。
お兄さんは犬を連れていた。薄茶色の大型の犬だった。大きいなあ、と思った。そして見たことのない犬種だ。
わたしはお兄さんにおはようございます、と挨拶をした。お兄さんも挨拶を返してくれる。おお、話しやすそうな人だ。
わたしは昔から人見知りのほうなのだが、ある程度の年齢になってから、見知らぬ人に声をかけるのにさほど抵抗がなくなってきた。
おばさんの証明だと誰か言いましたか? ちょっと膝詰めで小一時間話をしますか。
「可愛くて大きな犬ですねえ」とお兄さんに声をかける。
大きくて可愛い犬なのではなく、可愛くて大きな犬なのだ。
ワンコは初対面のわたしを警戒する風でもなく、そばに寄るわたしに尻尾をぶんぶんと振った。うお、可愛いな。
撫でてもいいですか、とお兄さんにお伺いを立ててからもふらせてもらった。
「犬種はなんですか」と聞いたら、
「ゴールデンレトリバーとスタンダードトイプードルのミックスです」とのこと。
なるほど、体と顔の形はレトリバーだし、くるくるの毛と顔つきはプードルだ。
お座りをしていると、顔の位置がお兄さんの腰の位置だ。大きいなあ。
癒やされます、と言いながらなでさせてもらい、名残惜しく思いながら挨拶をしてわかれた。
後で調べてみたら、ゴールデンドゥードルという種類らしい。初めて知ったよ。
参考映像です

扉の向こうのニャンコ

猫! 猫!
猫を見かける機会は逃さないようにしているので、ウォーキングコース上にある「猫と出会えるかもしれないスポット」はチェックしている。
コースの半ば過ぎくらいに、そのスポットは点在している。
フリーダムな猫が時々現れる路地とか、時折り窓から猫が顔を出す民家とかだ。
民家の窓を凝視していると、不審者と思われないかとかちょっと気になる。
怪しくないですよ、ただの猫好きなウォーキング中のおばちゃんですよ。
今日はなかなか猫の姿を見ることができない。思わぬ出会いの大型ワンコに十分癒やされたし満足したが猫は別腹なのだ。
コース後半のスポットのひとつ、とある診療所でようやく出会えた。
その診療所には、わたしが知る限りで3匹の猫がいる。どのコも薄茶色をしている。全体的に薄茶色だったり、薄茶色と白だったり。2匹は長毛種で、1匹は短毛種だ。種類はわからない。猫好きなわりにあまり種類に詳しくないのだ。
診療所の玄関のガラス扉の向こうに長毛種のコの姿がある。
いた、とわたしは喜んだ。
すでに何度も姿だけは見かけている。玄関扉の横にある窓から姿を見ることが多い。
最初に見たころは少し近づくだけでぱっと姿を隠したりしたが、この頃では窓や扉の近くまで寄っても逃げることはない。
すみません、敷地の中に入ってしまってます。診療所の駐車場スペースなので許されないでしょうか。だめですかね。
誘惑に負けて、扉の近くまでそろそろと近づいていく。長毛種ニャンコは扉の向こうでじっとしている。
おはよう、と顔の横で手を振って挨拶をする。猫はあまり視力が良くないと聞くが、長毛種ニャンコにわたしの姿が見えているかどうかはわからない。匂いをかいでもらってお近づきになりたいところだが、扉越しではそれもかなわない。
何度も顔の横で手を振る。ニャンコは、誰だこいつ、とでも言いたげな不思議そうな顔をしている(ように見える)
ご近所の人に見られてもアレなので、後ろ髪を引かれつつニャンコとお別れする。
いつかもふれたらいいなあ。
小一時間のウォーキングでもいろいろと出会いや発見があるもんだねえ。
満足して今日のウォーキングは終了です。

